海外ジャーナルクラブ
1年前
Munzoneらは、 エストロゲン受容体 (ER) 陽性/erb-b2受容体チロシンキナーゼ2 (ERBB2) 陰性の遠隔転移を有する乳癌患者を対象に、 ビノレルビン+シクロホスファミド+カペシタビン (VEX) による経口メトロノミック療法とパクリタキセル静注の有効性を第Ⅱ相無作為化比較試験METEORA-IIで検討。 その結果、 VEX治療により治療失敗までの期間 (TTF) と無増悪生存期間 (PFS) が有意に延長することが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
第Ⅱ相試験ですが、 タイトルにsafetyの記載がありません。 efficacyとsafetyはセットで評価すべきかと思います。 本試験では安全性について両群で差がありそうですが、 あまり言及がないところが気になります。
ER陽性/ERBB2陰性の転移性乳癌患者の1次治療として、内分泌療法とCDK4/6阻害薬が有効であるものの、 多くの患者が耐性を獲得し、 最終的に化学療法を必要とする。
1ラインの化学療法および/またはCDK4/6阻害薬を含む2ラインの内分泌療法による治療歴のあるER陽性/ERBB2陰性の遠隔転移を有する乳癌患者:133例
患者を以下の群に割り付け
治験責任医師が評価した治療失敗までの期間 (time to treatment failure:TTF)
無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 病勢コントロール率
VEX 群はパクリタキセル群に比して、 TTF を有意に延長した。
TTF中央値
HR 0.61、 95%CI 0.42-0.88、 P=0.008
12ヵ月TTF
PFS中央値
HR 0.67、 95%CI 0.46-0.96、 P=0.03
12ヵ月PFS
OS
OSに両群で差は認められなかった。
グレード3または4の有害事象の発現
脱毛症は認められなかった。
経口VEX療法によりTTFとPFSが有意に延長された一方で、 OSの改善は見られなかった。 ER陽性/ERBB2陰性の転移性乳癌に対するVEXレジメンは、 週1回のパクリタキセル投与よりも病勢コントロールが長期にわたり有効である可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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