【JAMA Oncol】ER陽性/ERBB2陰性乳癌、VEX治療によりTTFやPFSが改善
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1年前

【JAMA Oncol】ER陽性/ERBB2陰性乳癌、VEX治療によりTTFやPFSが改善

【JAMA Oncol】ER陽性/ERBB2陰性乳癌、VEX治療によりTTFやPFSが改善
Munzoneらは、 エストロゲン受容体 (ER) 陽性/erb-b2受容体チロシンキナーゼ2 (ERBB2) 陰性の遠隔転移を有する乳癌患者を対象に、 ビノレルビン+シクロホスファミド+カペシタビン (VEX) による経口メトロノミック療法とパクリタキセル静注の有効性を第Ⅱ相無作為化比較試験METEORA-IIで検討。 その結果、 VEX治療により治療失敗までの期間 (TTF) と無増悪生存期間 (PFS) が有意に延長することが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Efficacy of Metronomic Oral Vinorelbine, Cyclophosphamide, and Capecitabine vs Weekly Intravenous Paclitaxel in Patients With Estrogen Receptor-Positive, ERBB2-Negative Metastatic Breast Cancer: Final Results From the Phase 2 METEORA-II Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Jul 13;e232150. PMID: 37440239

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

第Ⅱ相試験ですが、 タイトルにsafetyの記載がありません。 efficacyとsafetyはセットで評価すべきかと思います。 本試験では安全性について両群で差がありそうですが、 あまり言及がないところが気になります。

🔢関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

ER陽性/ERBB2陰性の転移性乳癌患者の1次治療として、内分泌療法とCDK4/6阻害薬が有効であるものの、 多くの患者が耐性を獲得し、 最終的に化学療法を必要とする。

研究デザイン

対象

1ラインの化学療法および/またはCDK4/6阻害薬を含む2ラインの内分泌療法による治療歴のあるER陽性/ERBB2陰性の遠隔転移を有する乳癌患者:133例

介入

患者を以下の群に割り付け

  • VEX群:70例
4週間サイクルで、 患者にはVEXを経口投与
  • パクリタキセル群:63例
パクリタキセルを週1回静注

主要評価項目

治験責任医師が評価した治療失敗までの期間 (time to treatment failure:TTF)

副次評価項目

無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 病勢コントロール率

研究結果

主要評価項目

VEX 群はパクリタキセル群に比して、 TTF を有意に延長した。

TTF中央値

  • VEX 群:8.3ヵ月 (95%CI 5.6-11.1)
  • パクリタキセル群:5.7ヵ月 (95%CI 4.1-6.1)
HR 0.61、 95%CI 0.42-0.88、 P=0.008

12ヵ月TTF

  • VEX 群:34.3%
  • VEX 群:8.6%

副次評価項目

PFS中央値

  • VEX群:11.1ヵ月 (95%CI 8.3-13.8ヵ月)
  • パクリタキセル群:6.9ヵ月 (95%CI 5.4-10.1ヵ月)
HR 0.67、 95%CI 0.46-0.96、 P=0.03

12ヵ月PFS

  • VEX群:43.5%
  • パクリタキセル群:21.9%

OS

OSに両群で差は認められなかった。

安全性評価

グレード3または4の有害事象の発現

  • VEX群:42.9% (95%CI 31.1-55.3%)
  • パクリタキセル群:28.6% (95%CI 17.9-41.3%)

脱毛症は認められなかった。

結論

経口VEX療法によりTTFとPFSが有意に延長された一方で、 OSの改善は見られなかった。 ER陽性/ERBB2陰性の転移性乳癌に対するVEXレジメンは、 週1回のパクリタキセル投与よりも病勢コントロールが長期にわたり有効である可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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