海外ジャーナルクラブ
1年前
Maurerらは、 心不全の既往のあるトランスサイレチン型アミロイドーシス (ATTR心アミロイドーシス) 患者を対象に、 RNA干渉薬パチシランの効果を国際共同二重盲検プラセボ対照第III相無作為化比較試験APOLLO-Bで検討した。 その結果、 パチシランの投与は、 ATTR心アミロイドーシス患者の機能的能力の維持に寄与することが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
やはり本研究の続編としまして、 長期間観察における死亡率などのハードアウトカム改善効果があるかどうかの検証研究結果が期待されます。
ATTR アミロイドーシスはトランスサイレチンアミロイドーシスがアミロイド線維として心臓、 神経などに沈着することで惹起され、 心臓に沈着することで心筋症が進行する。 RNA干渉薬パチシランは、 肝臓でのトランスサイレチンの産生を抑制することが知られている。
ATTR心アミロイドーシス患者:360例
患者を1:1の割合で以下の群に無作為に割り付けた。
両群ともに3週に1回12ヵ月間投与
12ヵ月時の6分間歩行距離のベースラインからの変化
12ヵ月時の6分間歩行距離
12ヵ月時の6分間歩行距離の変化量はパチシラン群の方がプラセボ群に比べ有意に少なかった。
群間差 (Hodges-Lehmann推定差中央値) :14.69m (95%CI 0.69-28.69、 p=0.02)
KCCQ-OSスコア
12ヵ月時のKCCQ-OSスコアは、 パチシラン群ではベースラインから増加し、 プラセボ群では減少した。
最小二乗平均差:3.7ポイント (95%CI 0.2-7.2、 p=0.04)
輸液関連反応、 関節痛、 筋痙攣は、 プラセボ群よりもパチシラン群において、 より多く確認された。
12ヵ月間にわたるパチシランの投与により、 ATTR心アミロイドーシス患者の機能的能力は維持された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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