【NEJM】パチシランがATTR心アミロイドーシスの機能的能力の維持に有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】パチシランがATTR心アミロイドーシスの機能的能力の維持に有効

【NEJM】パチシランがATTR心アミロイドーシスの機能的能力の維持に有効
Maurerらは、 心不全の既往のあるトランスサイレチン型アミロイドーシス (ATTR心アミロイドーシス) 患者を対象に、 RNA干渉薬パチシランの効果を国際共同二重盲検プラセボ対照第III相無作為化比較試験APOLLO-Bで検討した。 その結果、 パチシランの投与は、 ATTR心アミロイドーシス患者の機能的能力の維持に寄与することが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Patisiran Treatment in Patients with Transthyretin Cardiac Amyloidosis. N Engl J Med. 2023 Oct 26;389(17):1553-1565. PMID: 37888916

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

やはり本研究の続編としまして、 長期間観察における死亡率などのハードアウトカム改善効果があるかどうかの検証研究結果が期待されます。

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背景

ATTR アミロイドーシスはトランスサイレチンアミロイドーシスがアミロイド線維として心臓、 神経などに沈着することで惹起され、 心臓に沈着することで心筋症が進行する。 RNA干渉薬パチシランは、 肝臓でのトランスサイレチンの産生を抑制することが知られている。

研究デザイン

対象

ATTR心アミロイドーシス患者:360例

患者は遺伝子型 (変異型ATTR、 野生型ATTR) やNYHA心機能分類クラス、 年齢などで層別化された。

介入

患者を1:1の割合で以下の群に無作為に割り付けた。

  • パチシラン群:181例
パチシラン 0.3mg/kg、 最大30mgを投与
  • プラセボ群:179例

両群ともに3週に1回12ヵ月間投与

主要評価項目

12ヵ月時の6分間歩行距離のベースラインからの変化

副次評価項目

  1. Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire-Overall Summary (KCCQ-OS) スコアのベースラインから12ヵ月目までの変化
  2. 12ヵ月間における全死因死亡、 心血管イベント、 6分間歩行距離の変化の複合
  3. 12ヵ月間における全死因死亡、 あらゆる入院、 心不全による緊急受診の複合

研究結果

主要評価項目

12ヵ月時の6分間歩行距離

12ヵ月時の6分間歩行距離の変化量はパチシラン群の方がプラセボ群に比べ有意に少なかった。

群間差 (Hodges-Lehmann推定差中央値) :14.69m (95%CI 0.69-28.69、 p=0.02)

副次評価項目

KCCQ-OSスコア

12ヵ月時のKCCQ-OSスコアは、 パチシラン群ではベースラインから増加し、 プラセボ群では減少した。

最小二乗平均差:3.7ポイント (95%CI 0.2-7.2、 p=0.04) 

安全性評価

輸液関連反応、 関節痛、 筋痙攣は、 プラセボ群よりもパチシラン群において、 より多く確認された。

結論

12ヵ月間にわたるパチシランの投与により、 ATTR心アミロイドーシス患者の機能的能力は維持された。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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