One Team to Conquer Cancer ─ 河野会長×若手医師が語る第64回日本癌治療学会
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日本癌治療学会

5日前

One Team to Conquer Cancer ─ 河野会長×若手医師が語る第64回日本癌治療学会

One Team to Conquer Cancer ─ 河野会長×若手医師が語る第64回日本癌治療学会
第64回日本癌治療学会学術集会は、 2026年10月22~24日に神戸コンベンションセンターで開催されます。 JSCO×HOKUTO特別企画 「若手から見た学術集会」 では、 同学術集会の会長を務める河野浩二先生 (福島県立医科大学 消化管外科学講座 主任教授) と、 若手医師の伊藤美郷先生による座談会をお届けします。 
本記事では、 お二人の自己紹介をはじめ、 第64回学術集会のテーマや注目企画、 会期中のおすすめの過ごし方、 懇親会の見どころまで、 幅広くご紹介します。 聞き手は、 HOKUTO編集部の清水真人 (コンテンツ事業責任者/聖路加国際病院 医師) です。 

参加者のこれまでの経歴について

カロリンスカ、 シンガポール、 そして福島

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河野先生 福島県立医科大学消化管外科学講座 主任教授の河野です。 今回、 第64回日本癌治療学会学術集会の会長を務めます。

外科医としては少し変わった経歴かもしれません。 山梨大学を卒業後、 第一外科に入局し、 その後、 スウェーデンのカロリンスカ医科大学に赴任しました。 そこでがん免疫をテーマに研究し、 学位を取得しました。 その後、 いったん山梨の第一外科に戻り、 次にシンガポール大学の外科に教授・PI (研究責任者) として赴任し、 5年間を過ごしました。 福島医大に来たのは10年ほど前です。

海外での経験も含め、 少し特徴的な背景を持っていますが、 専門は食道外科、 研究テーマは免疫療法という外科医です。

医師13年目、 2児の母 ─ 研究と臨床を

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伊藤先生 福島県立医科大学消化管外科学講座の伊藤美郷です。 2014年に山形大学を卒業し、 現在は医師13年目です。 福島県出身で、 山形で研修まで行った後、 地元の福島に戻り消化管外科に入局しました。

日本癌治療学会には医師4年目で入会し、 これまで何度も発表の機会をいただきました。 7年目頃から学位取得のために研究を始め、 3年前に学位を取得。 今は再び臨床に戻り、 日々多くの患者さんと向き合ってがん治療をしています。 プライベートでは2人の子どもを育てながら、 仕事と育児の両立を日々模索しています。

第64回学術集会について

"Conquer"=征服、 そして 「共生」

HOKUTO清水 ではいよいよ第64回のお話へ。 テーマに掲げた 「One Team to Conquer Cancer」、 この言葉にはどんな思いを込められたのでしょうか。

河野先生: "Conquer" は 「征服する」 「乗り越える」 が主な意味ですが、 実は 「共生する」 「共存する」 という意味も含んでいます。 がんを乗り越えられればそれでいいし、 共生していくのでもいい。 そのために"One Team"を作ろう、 という思いを込めました。

また、 今回は第6回アジア腫瘍学会国際会議 (the 6th International Congress of the Asian Oncology Society;AOS2026) との併催で国際学会が入ることもあり、 英語のテーマにしています。 臓器横断的・職種横断的というこの学会の特徴を生かして、 テーマのもとにさまざまな企画・プログラムを用意しています。

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特別講演で広がる視野 ─ ノーベル賞・睡眠研究・楽天から学ぶ

HOKUTO清水 なるほど、 "One Team"という言葉に学会の性格が表れていますね。 すでに豪華な講演も公表されていますが、 特に若手の先生に 「これは」 とおすすめしたいセッションはありますか。

河野先生 まず、 特別講演として、 2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞された坂口志文先生 (大阪大学) にご講演をお願いしています。 制御性T細胞 (レギュラトリーT細胞) を中心に、 受賞に至る研究のプロセスや、 大変ご苦労された経験を話していただきます。 研究に触れる面でも大きな刺激になるはずです。

また、 睡眠研究で著名な筑波大学の柳沢正史先生にもお話いただきます。 睡眠とがん治療のつながりは学問的にも深く、 「夜に抗がん薬を投与するとよく効く」 といった話もあるほどで、 そうしたテーマを中心にお話しいただきます。

さらに、 楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏にもご登壇いただきます。 経営者の立場からイノベーションについて、 また楽天メディカルで開発中の新しいがん治療とのブリッジについても触れていただきます。 若手の先生に、 専門分野の外側から刺激を受けてほしいと考えています。

Nature Masterclassで学ぶ ─ 国際誌投稿の実践知

HOKUTO清水 どれも専門の枠を超えた顔ぶれで、 わくわくしますね。 研究に踏み出したい若手にとっての"目玉"になりそうな企画もあると伺いました。

河野先生: さらに特別企画として、 Nature Masterclass (Live Editor-led Course) も開催します。 Natureシリーズ誌の現役編集者を講師に迎え、 国際誌への投稿を見据えた論文執筆や研究成果の伝え方、 査読への対応、 トップジャーナル編集者の視点などを、 少人数形式で実践的に学べるプログラムです。

参加人数は限定し、 応募者の中から選考のうえ受講者を決定します。 研究成果を世界に発信したい次世代の研究者・臨床家・医療者にとって、 なかなかない機会ですので、 ぜひ積極的に応募してほしい目玉企画です。

基礎から最先端まで、 若手向け教育講演

HOKUTO清水 Natureの編集長から直接、 というのは滅多にない機会ですね。 一方で 「まずは基礎から固めたい」 という若手も多いと思います。 そうした先生に向けたプログラムはいかがでしょう。

河野先生 JSCOの教育委員会が、 例年がん種ごとに、 いま押さえるべき基本から最先端までをカバーする教育講演を1日フルで組んでいます。 これが3日間あります。

聞いていただければ知識として習得できますし、 各専門医制度と連携したクレジットとしても使えます。 若手にとって非常にありがたいプログラムです。 (教育セミナーの事前登録は7月下旬開始の見込みで、 開始の際にはHOKUTOでも告知予定です。 )

学会の過ごし方について

みっちり派 vs ふらっと派、 どちらもアリ

HOKUTO清水 会期は3日間。 初めて参加する先生は 「どう回ればいいのか」 と迷いがちです。 おすすめの過ごし方を、 お二人それぞれ伺えますか。 まずは河野先生から。

河野先生 まずはぜひ、 現地で参加してほしいです。 Web・オンデマンド配信も予定していますが、 現地では質問者、 コメンテーター、 司会とのやり取りの熱量が違い、 同じ知識でも受ける印象が大きく変わります。 自分が発表する機会があればなおさらで、 その経験自体が大きなステップアップにつながると思います。

プログラム確定後にはスケジューリングアプリを導入予定です。 「免疫療法」 などのキーワードで検索すれば関連企画が表示されるので、 時間ごとに割り振ることで、 1日を通して同じトピックを追うこともできます。一方で、 講演を聞き続けるだけでも疲れてしまうと思いますので、 時々は休憩も挟んでほしいです。 第64回学術集会では、 展示ブースと休憩・ドリンクコーナーを広い会場内に一体化して配置しています。

また今回は国産初の手術支援ロボットシステムであるhinotori (ヒノトリ) の実機展示もあり、 実際に触れます。 講演で聞いたロボット治療を実機で体験できれば相乗効果は絶大。 コーヒーで休憩し、 また次へ、 と1日楽しんでください。

HOKUTO清水 先生はみっちり派ですね。 伊藤先生はいかがですか。

伊藤先生 私は河野先生とは少し逆で、 あまり予定を詰め込みすぎない方が好きです。 若手の頃は 「これとこれを必ず聞こう」 と意気込んで、 かえって堅くなってしまうこともありました。 何度かそうしているうちに、 疲れて少し嫌になってしまったこともあります。

今はまず会場に行き、 着いた時間に 「何を見ようかな」 と考えるくらいの気楽なスタイルです。 もともと聞く予定のなかったセッションが意外と面白く、 後から印象に残ることもあります。 企業ブースにも、 ぜひ一度は立ち寄ってみてほしいです。 試供品をいただける楽しさもありますし、 休憩しながら情報収集もできる、 とてもよい場所だと思います。

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第61回日本癌治療学会学術集会にて (左 : 伊藤美郷先生/写真 : 伊藤美郷氏提供)

現地が難しければ、無理せずオンデマンド

HOKUTO清水 みっちりも、 ふらっとも、 どちらも正解ということですね。 とはいえ現地に行くのが難しい時期もあります。 そんな先生はどうすればよいでしょう。

伊藤先生 私は昨年出産して育休中はオンデマンド配信でしか参加できませんでしたが、 それが非常に勉強になり、 救われました。 現地が一番ですが、 難しい方は配信で一緒に参加することも大切。 それぞれの状況に合わせて無理なく参加していただければと思います。

河野先生 大変大事な視点です。 少なくとも主題演題など大きな会場のセッションは複数箇所でオンデマンド配信予定です。 いろいろな環境の方に参加してほしいので、 ぜひ活用してください。

神戸で福島を楽しむ ─ 参加無料の懇親会

HOKUTO清水 学びの話が続きましたが、 楽しみの部分も気になります。 あわせて楽しめる企画はございませんか?

河野先生 もう一つ告知したいのが全員懇親会です。 全員が入りきるキャパシティはありませんが、 広い会場を用意しました。 いろいろな科・職種の先生とつながれますし、 ゲームも企画しています。 開催地は神戸ですが、 福島ゆかりのお土産や景品を用意するなど、 福島の色を出す工夫も仕込んでいます。

伊藤先生 懇親会は参加無料で、 学会に参加された方はどなたも来ていただけます。 時間・場所はプログラム公表のタイミングで出ます。

後編・記事②に続く

後編では、 若手医師・伊藤先生が語る学会の魅力、 初めての発表、 キャリアと学術活動のつながり、 そして若手へのメッセージをお届けします。

プロフィール

One Team to Conquer Cancer ─ 河野会長×若手医師が語る第64回日本癌治療学会
【履歴】1987年 山梨医科大学医学部卒業.1994年 スウェーデンカロリンスカ医科大学 (医学博士取得) .2003年 山梨大学医学部第一外科准教授.2011年 シンガポール大学外科教授.2014年 福島県立医科大学教授.2016年 同大学消化管外科学講座 主任教授.2022年 同大学副学長
【専門分野】食道外科・胃外科・がん免疫療法
【学会活動等】日本癌治療学会 副理事長・国際委員長・第64回会長 (2026年、 神戸)、 日本食道学会 理事・第80回会長、 日本消化器外科学会 評議員、 日本外科学会 代議員、 日本胃癌学会 代議員、 日本臨床外科学会 評議員 福島県支部長、 日本バイオセラピィ学会 理事長、 がん集学的治療研究財団 理事
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【履歴】2014年3月 山形大学医学部卒業.2014年4月 済生会山形済生病院にて初期研修.2017年4月 福島県立医科大学附属病院専攻医.2020年4月 同大学附属病院消化管外科.2021年10月 福島県立医科大学消化管外科学講座助手.2023年5月 同講座助教.2026年4月 現職 (産休・育休を経て復帰) 現在に至る
【専門分野】下部消化管
【資格】日本外科学会専門医、 日本消化器外科学会専門医、 日本内視鏡外科学会技術認定医 (大腸)

開催概要

第64回日本癌治療学会学術集会は、 2026年10月22~24日、 神戸コンベンションセンターで開催されます。 学術集会はもちろん、 JSCOの活動そのものにもぜひ関心を寄せていただければと思います。

名称

第64回日本癌治療学会学術集会

同時開催 : the 6th International Congress of the Asian Oncology Society (AOS2026)

会期

2026年10月22日 (木) ~ 24日 (土)

テーマ

One team to Conquer Cancer

会長

河野 浩二

(福島県立医科大学消化管外科学講座 主任教授)

会場

神戸コンベンションセンター (神戸国際会議場、 神戸国際展示場、 神戸ポートピアホテル)

>> 公式サイトはこちら

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日本癌治療学会について

日本癌治療学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認ください。

>>「日本癌治療学会」 入会のご案内はこちら

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学会入会のメリットは?

以下のような学会入会特典がございます。

①学術集会での研究発表

本学会学術集会に演題の応募ができ研究成果を発表することができます。

※筆頭演者は会員である必要がございますが、 共同演者は会員である必要はございません。 ただし、 会長により招請された方、 また、 海外からの応募者、 医師・歯科医師以外のメディカルスタッフ、 学生の方は、 この限りではありませんので非会員の方であってもご登録可能です。

②学術集会への参加

会員は学術集会へは会員価格で参加することができます。

③機関誌の無料閲覧

IJCOおよびICCJの全文を無料で閲覧可能です。

④会員限定の情報提供

会員専用ページ 「myがんち」に登録したメールアドレスにお送りするメルマガを通じてがん治療についての最新情報が得られます。 また、 会員専用ページ 「myがんち」にてオンライン版会員名簿サービスで会員の検索ができます。

⑤学会提携クレジットカードの発行

このカードを利用することにより、 本学会年会費をカード決済口座から、 手数料無料で引き落とすことができます。

⑥ネットワークの構築

国内外の専門家との交流を深め、 臨床や研究の発展につなげる機会を提供いたします。

>>「日本癌治療学会」 入会のご案内はこちら

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こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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