日本癌治療学会
6日前

医師のキャリアが多様化するなか、 オンコロジストとしての道をなぜ選んだのか― 。 東京医科大学乳腺科学分野主任教授/日本癌治療学会理事の石川孝先生に話を聞きました。
──乳腺専門医までの歩みを教えてください
「母方の家系に医師が多く、 医療が身近にありました。 もともとは文系でしたが、 高校3年生のときに理系に転向して医師を目指しました。 大学時代はバスケットボールに打ち込み、 当時は『運動部の学生は外科に行く』という風潮があり、 迷わず外科の道に進みました」
「キャリアのスタートは消化器外科でした。 当時は、 消化器外科医が乳癌も診ていた時代です。 消化器外科と乳腺外科を並行する時代を経て、 10年ほど経って乳腺専門医に転じました」
──医師人生の中で特に印象的な経験は?
「大学院生時代、 1990年から2年間、 米国カリフォルニア州立大学アーバイン校に留学し、 そこでPCR法を応用した分子生物学の基礎研究に携わりました。 ちょうどmRNA解析が一般化し始めた時代で、 研究者として非常に刺激的な日々を送りました」
「帰国後は横浜市立大学の分子生物学研究室で、 "昼は臨床、 夜は研究"という生活を続けました。 寝る間を惜しんで臨床と研究に明け暮れた当時の経験が今の礎になっていると思います」
「その後、 マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析に関わりましたが、 当時は検体利用に際して患者さんの同意を得ることに対する考え方が今とは違い、 一時的に社会的な問題にもなりました。 自粛勧告を受け、 最終的には全ての研究を撤回させていただきました。 当時の考え方では、 決して誤った手順は踏んでいなかったのですが、 『今日の常識は明日の非常識』であると痛感しました。 時代が変われば倫理観が大きく変化することを肌で感じた出来事でもありました」
──研究と臨床の両方を経験される中で、 その後の診療スタイルはどう形成されたのですか
「その後は臨床に専念するようになり、 特に乳癌診療に力を入れるようになりました。 横浜市立大学に在籍していた頃から、 当時まだ一般的ではなかった自家組織を用いた乳房再建に形成外科の先生と協力して取り組み始め、 東京医科大学乳腺科に教授として就任して以降も、 手術と乳房再建の体制整備に邁進してきました」
──JSCO理事として、 今の思いは
「日本癌治療学会 (JSCO) における日本乳癌学会の存在価値を高めたいという思いがあります。 乳癌は臨床も研究も非常に先駆的な分野ですから、 私が理事として、 両学会の架け橋のような役割を果たしたいと考えています。 乳癌領域で培ってきた知見をJSCOにも伝達し、 他の癌種にも役立てていただくことが、 理事としての今の目標です」
──JSCOならではの魅力はどこにあると感じていますか
「現在は免疫チェックポイント阻害薬などをはじめ、 同じ治療薬が複数の癌種で使われる時代です。 そういったなか、 横断的な情報を学べる点がJSCOの魅力ではないでしょうか。 自分自身の専門領域だけを見ていると、 どうしても視野が狭くなりますが、 JSCOに参画していると、 他領域の発表を同じ目線で聞いたり、 他の専門の先生方と交流する機会も増え、 広い視野で癌医療を学ぶことができます」
──ご自身の経験を踏まえて若手世代にメッセージをお願いします
「今の若手医師は、 できるだけ早く専門医を取りたいと思っている方が多いかもしれません。 もちろん、 それ自体は悪いことではありません。 ただ、 医師人生は長いですから、 自分の専門以外の領域診療にも触れ、 少し遠回りをしてでも幅広い経験をしてほしいと思います。 その経験はきっと、 自分自身の専門にも巡り巡って生きてきます。 そのための視野を広げる場として、 JSCOのような場を上手に活用していただきたいと思います」

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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