海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Brownらは、 未治療の慢性リンパ性白血病 (CLL) 患者を対象に、 固定期間のアカラブルチニブ–ベネトクラクス併用療法の有効性および安全性について、化学免疫療法を対照に第Ⅲ相非盲検試験AMPLIFYで検討した。 その結果、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS)の有意な改善が示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。
フルダラビン–シクロホスファミド–リツキシマブとベンダムスチン–リツキシマブを投与した患者のコホートが組み合わされていますが、 limitationの1つ目に、この治療の安全性と有効性は同一ではないことが挙げられています。
未治療の慢性リンパ性白血病 (CLL) の治療として、 固定期間のアカラブルチニブ–ベネトクラクス併用療法 (オビヌツズマブの有無に関係なく) が、 化学免疫療法と比べて無増悪生存期間 (PFS) が改善するかは明らかになっていない。
第Ⅲ相非盲検試験の対象は、 ECOG-PS 0-2で、 TP53 変異および17p欠失のない18歳以上のCLL患者であった。 患者を無作為化により以下の3群に1 : 1 : 1の割合で割り付けた。
主要評価項目は、 intention-to-treat集団におけるAV群 vs 化学免疫療法群のPFSであった。
計867例が以下の3群に割り付けられた。 年齢中央値は61歳 (範囲 26-86歳) で、 男性は64.5%、 IGHV 非変異は58.6%であった。
推定36ヵ月PFS率 (追跡期間中央値 40.8ヵ月) は、 AV群で76.5%、 AVO群で83.1%、 化学免疫療法群で66.5%であった。
AV群 vs 化学免疫療法群の病勢進行または死亡のハザード比は0.65 (95%CI 0.49-0.87、 p=0.004) であり、 AVO群 vs 化学免疫療法群ではp<0.001であった。
また、 推定36ヵ月全生存(OS)率はAV群で94.1%、 AVO群で87.7%、 化学免疫療法群で85.9%であった。
グレード3以上の有害事象のうち最も多くみられたのは好中球減少症であり、 発生率はAV群が32.3%、 AVO群が46.1%、 化学免疫療法群が43.2%であった。
また、 COVID-19による死亡例はAV群が10例、 AVO群が25例、 化学免疫療法群が21例あった。
著者らは 「アカラブルチニブ–ベネトクラクス (±オビヌツズマブ) 療法により、 化学免疫療法と比較して未治療のCLL患者のPFSが有意に改善した」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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