エクセレント賞受賞！指導体制が光る上越総合病院

上越総合病院は､ JCEP (NPO法人卒後臨床研修評価機構) の認定を受けるなど教育水準の高さが光ります｡ 実際､ 研修医にはどんな点が評価されているのでしょうか｡ 臨床研修プログラム責任者で総合診療科部長の大堀高志先生と､ 臨床研修医２年目の石田祐己先生､ １年目の本間澪夏先生に教育プログラムの特徴を聞きました｡

※肩書きや内容はインタビュー当時 (2023年8月) のものです｡現在とは異なる場合があります｡

病院の概要

上越総合病院は､研修医のプライマリケアの基本的診療能力 (知識･技能･態度) の育成を目指しています｡多職種研修に注力し､メディカルスタッフからの学びが得られます｡卒後臨床研修評価機構JCEPの認定を受けており､エクセレント賞を受賞しています｡有名な外部講師を招いた研修会などを企画し､医師の教育と確保に注力しています｡

研修の特徴

病院実習：外来二次診察までの全過程体験

ーー学生実習について｡

大堀先生｢学生実習では､医学生に実際の外来診療の全過程を経験してもらっています｡研修医が行っている診療を見せることで､初見の患者さんへの問診方法や必要な検査を学ぶことができます｣

｢学生自身が検査項目を入力し､上級医や指導医からの指導を受けながら､二次診察までの診療を実施します｡ここまで経験させるのは当院ならではです｡診察の適切さや検査の妥当性を確認することができ､学生が一人の患者さんに深く関わることで､リアルな学びにつながっています｣

ーー本間先生はコロナ禍で実習に参加できなかった｡

本間先生｢残念でしたが､臨床実習の代わりに3日間の病院見学と当直見学をしました｡学生が自主的に活動できる環境や広範な裁量権が与えられている点に大きな衝撃を受けました｣

入職時フレッシュマンセミナー　看護部と合同研修の様子

｢医師だけでなくメディカルスタッフも手厚くサポートしてくれるフォローアップ体制にも魅力を感じました｡コロナ禍前の実習に参加できた先輩や同僚たちの成長を目の当たりにし､自分も力をつけることができると確信し､初期研修先に選択しました｣

病院全体で研修医を育てる

ーー研修医への教育環境について｡

大堀先生｢多職種研修を強く推奨しています｡看護師や薬剤師､検査技師など様々な専門職との連携により､異なる視点から学びを得ることができ､より包括的な診断や治療が可能になります｡例えば､一定期間検査科に所属し､エコーや超音波検査の手技を学ぶことも可能です｣

｢多職種とのコミュニケーションも重視しており､アドバイスを気軽に受け取ることができる雰囲気があります｡研修医の成長を職種を超えてサポートしています｣

｢また､症例検討会や指導医によるレクチャーなど様々な形で成長を支援しています｡毎週行われる症例検討会では､研修医自身が遭遇した症例を共有し､先輩医師からのアドバイスを受けることで､自ら考える力を養います｡研修評価に関しても､指導医からのフィードバックだけでなく､メディカルスタッフや患者も含む360度評価を実施し､研修目標達成に向けて共に成長していきます｣

不識庵主催｢CPVSコース｣の様子

病院の垣根を超えた研修も

外部講師による研修イベントの実施

ーー地域全体の医療連携や有名な先生を招いた研修会について｡

大堀先生｢新潟県上越エリア (糸魚川市･柏崎市を含む) に位置する4つの臨床研修基幹病院が一緒になって､医師の確保と臨床研修医の育成を目指しています｡ 2011年に｢上越･糸魚川コンソーシアム｣として始まり､現在は｢THE RESIDENT CIRCLE 不識庵｣という団体を立ち上げて活動を続けています｡

｢毎年､著名な外部講師を招聘し､様々な研修イベントを開催しています｡獨協医科大学病院の志水太郎先生を招いて教育レクチャーを開いたり､順天堂大学のデシュパンデゴータム先生やミシガン大学教授のサンジェイセイント先生を招いて英語でのスキルアップセミナーを開催したりしています｣

｢主に研修医･医学生を対象としていますが､指導医･上級医にとっても有益な機会となっていて､自身の指導方法に活かす一助となり､病院全体の研修体制の充実につながっていると感じています｣