HOKUTO編集部
1ヶ月前
2024年10月に発刊された『肺癌診療ガイドライン -悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む- 2024年版 第8版』 (編 : 日本肺癌学会) が、 10月31日開催の第65回日本肺癌学会学術集会にあわせWeb公開された。 同ガイドラインは2014年以降毎年改訂されており、 2024年版は隔年で発刊されている書籍の発行となっていた。
HOKUTO編集部が確認した、2023年版 (Web版) からの主な改訂点は以下のとおりである。
全体の変更点として、 推奨文および推奨度、 合意率の記載に関して、 以下のとおり変更された。
近日発行される肺癌取り扱い規約第9版にあわせた記載に変更となった。 なお、 詳細についてはHOKUTOで人気連載 肺癌TNM分類 第9版で注目の変更点は? を確認いただくと良い。
新たな治療レジメンが追加された。 主な改訂点は、術前術後ペムブロリズマブ (KEYNOTE-671)、 術後アレクチニブ (ALINA) の追記、 各種臨床試験結果のアップデートなどである。
進行期領域では、 EGFR遺伝子exon20挿入変異に対する1次治療としての新たな標的療法としてEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ併用療法が追加され、 EGFR遺伝子exon18-21挿入変異に対しては、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のアファチニブ単剤療法、 オシメルチニブ単剤療法がそれぞれ追加された。
また2025年10月に本邦で発売中止となったEGFR阻害薬ダコミチニブ*については、EGFR遺伝子exon19欠失/L858R変異に対する1次治療(PS 0-1症例)の推奨が削除された。
その他、新規MET阻害薬のグマロンチニブやROS-1阻害薬レポトレクチニブの推奨が追加された。
小細胞癌 (SCLC) の進展型領域では、 全身状態 (PS 0-1/2/3/4) 別に推奨治療法が明確化され、 推奨薬剤も追加された。
再発SCLC領域では、 全身状態良好例の3次治療以降における二重特異性T細胞誘導 (BiTE) 抗体タルラタマブ療法 (国内未承認、 2024年5月に承認申請) 等が追加された。
悪性胸膜中皮腫の外科治療領域では、 局所治療可能な再発例に対するクリニカル・クエスチョン (CQ) が新設され、 外科治療に関する記載が全体的に整理された。
胸腺腫瘍の領域では、 進行・再発例における抗PD-1抗体ペムブロリズマブの適応拡大および新たなエビデンスとなる臨床試験等について追記された。
【学会】肺癌診療GL2024年版、 薬物療法の改訂ポイントは?
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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