HOKUTO編集部
3時間前
2024年10月、『肺癌診療ガイドライン -悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む- 2024年版 第8版』 (編 : 日本肺癌学会) が発刊された。 同ガイドラインは2014年以降毎年改訂されており、 2024年版は隔年で発刊されている書籍の発行となった。
2023年版 (Web版) からの主な改訂点は以下のとおりである。
ガイドライン全体の変更点として、 推奨文および推奨度の記載に関して、 前版までの 「推奨する」 は 「強く推奨する」 に、 「提案する」 は 「弱く推奨する」 に変更された。 また、 合意率は削除された。
非小細胞肺癌 (NSCLC) の樹形図が変更され、 周術期における新たな治療レジメンが追加された。 主な改正点は、 ⅡA、 ⅡB期NSCLCの周術期における術前・術後療法の追記、 ⅢA、 ⅢB期への一部ⅡB期の追加ならびに手術可否に応じたフローの分岐等である。
進行期領域では、 EGFR遺伝子exon20挿入変異に対する新たな標的療法としてEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ併用療法が追加され、 EGFR遺伝子exon18-21挿入変異に対しては、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のアファチニブ単剤療法、 オシメルチニブ単剤療法がそれぞれ追加された。
小細胞癌 (SCLC) の進展型領域では、 全身状態 (PS 0-1/2/3/4) 別に推奨治療法が明確化され、 推奨薬剤も追加された。
再発SCLC領域では、 全身状態良好例の3次治療以降における二重特異性T細胞誘導 (BiTE) 抗体タルラタマブ療法 (国内未承認、 2024年5月に承認申請) 等が追加された。
胸膜中皮腫の外科治療領域では、 局所治療可能な再発例に対するクリニカル・クエスチョン (CQ) が新設され、 外科治療に関する記載が全体的に整理された。
胸腺腫瘍の領域では、 進行・再発例における抗PD-1抗体ペムブロリズマブの適応拡大および新たなエビデンスとなる臨床試験等について追記された。
10月31日~11月2日に開催される第65回日本肺癌学会学術集会では、 肺癌診療ガイドライン2024年版の改訂ポイントを説明するセッションが設けられており、 HOKUTO上でも詳しく紹介予定です。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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