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95日前

【NEJM】テクリスタマブ投与が再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療に有効


Moreau Pらは、 再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象に、 B細胞成熟抗原 (BCMA) およびCD3に対する二重特異性抗体テクリスタマブの有効性と安全性を検討する第Ⅰ-Ⅱ相試験を実施 (MajesTEC-1試験).  結果、忍容性に問題はみられず、 持続的で深い奏効を示した. 本研究はNEJM誌において発表された.

背景

テクリスタマブ (teclistamab) は、 T細胞表面に発現するCD3と、 骨髄腫細胞表面に発現するB細胞成熟抗原 (BCMA)の両方を標的とするバイスペシフィック抗体である. 第Ⅰ相用量設定試験において、 テクリスタマブは再発・難治性多発性骨髄腫患者に対して有望な有効性を示した.

HOKUTO編集部追記

>> 第Ⅰ相用量設定試験についてはこちら

研究デザイン

  • 免疫調節薬、 プロテアソーム阻害薬、 抗CD38抗体の3剤による治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者を165名を登録した.
  • テクリスタマブ漸増投与後 (0.06mg/kgと0.3mg/kg) 、 毎週皮下注した (1.5mg/kg).
  • 主要評価は全奏効率(部分奏効以上)とした.

結果

有効性評価

  • 追跡期間中央値14.1カ月で全奏効率は63.0%、 完全奏効以上は39.4%であった.
  • 44名 (26.7%) が微小残存病変 (MRD) 陰性であり、 完全奏効以上の患者におけるMRD陰性率は46%であった.
  • 奏効期間中央値:18.4カ月
(95%CI 14.9~推定不能)
  • 無増悪生存期間中央値:11.3カ月
(95%CI、 8.8~17.1)

安全性評価

一般的な有害事象

  • サイトカイン放出症候群 72.1% (grade 3:0.6%、 grade 4:なし)
  • 好中球減少 70.9% (grade 3以上 64.2%)
  • 貧血 52.1% (grade 3以上 37.0%)
  • 血小板減少 40.0% (grade 3以上 21.2%)
  • 感染症 76.4% (grade 3以上 44.8%)

その他

  • 神経毒性は24例 (14.5%) に発現し、 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群は5例 (3.0%、 すべてgrade 1または2) であった.

結論

テクリスタマブは、 3クラス抵抗性の再発・難治性多発性骨髄腫患者において、 高い確率で深部奏効と持続的奏効をもたらした. 細胞減少症と感染症が多くみられ、 T細胞リダイレクションと一致する毒性作用は、 ほとんどがgrade 1または2だった.

原著

Moreau P、 et al、 Teclistamab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma. N Engl J Med. 2022 Jun 5. doi: 10.1056/NEJMoa2203478.PMID: 35661166

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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