海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Duruらは、 胃腺癌を対象にプロトンポンプ阻害薬 (PPI) の長期使用と胃腺癌の発症リスク増加との関連を、 北欧5か国の全国レジストリを用いた症例対照研究で検討した。 その結果、 PPIの長期使用は胃腺癌の発症リスク増加と関連しないことが示された。 試験結果はBMJ誌に発表された。
症例対照研究デザインは想起バイアスや選択バイアスを受けやすい点が挙げられるが、 本研究で用いたデータはレジストリに前向きに収集されたものであり、 想起バイアスは生じ得ません。
PPIは消化性潰瘍や胃食道逆流症などで広く用いられている一方、 長期使用と胃癌リスクとの関連については、 先行研究で相反する結果が報告されてきた。
本研究は、 既存研究の方法論的限界を考慮し、 PPI長期使用と胃腺癌との関連を明確にすることを目的とした。
北欧5か国において、 1994~2000年の医療データを用いた人口ベース症例対照研究が実施された。
胃非噴門部腺癌症例1万7,232例と、 年齢・性別・暦年・国でマッチさせた対照17万2,297例が解析対象となった。 曝露は1年以上のPPI使用と定義され、 診断前12ヵ月間の使用は除外された。
主要評価項目は胃非噴門部腺癌で、 副次評価項目としてヒスタミンH2受容体拮抗薬 (H2RA) の長期使用が解析された。
主要評価項目である胃非噴門部腺癌について、 PPI長期使用は症例の10.2%、 対照の9.5%に認められ、 有意な関連は認められなかった (調整オッズ比 (OR) 1.01, 95%CI 0.96–1.07)。
H2RA長期使用においても、 同様に有意な関連は示されなかった (調整OR 1.03, 95%CI 0.86–1.23)。
著者らは 「PPIの長期使用は胃腺癌リスクの増加と関連しない可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。