本コンテンツはERマニュアルより抜粋. 随時マイナーエマージェンシーにも対応致します. コンテンツのご要望ぜひコメント下さい!
ポイント
- 返しがあり、引っ張るだけでは抜けない!
- 無理に引き抜くと、 組織障害を伴う!
- 針形状、 返し有無 、刺入部で除去術を選択!
準備と治療方針
- ルアーや重しなど針に付く余分な物を除去.
- 疼痛が強ければ局所麻酔や指神経ブロック.
返しがない場合
返しがある場合
- 返しが皮膚表面近傍 →①Push-through法
- 単一の返しである → ②String-yank法
- 上記がいずれも難しい→③Needle法
① Push-through法
一旦貫通させて返しの部分を切断する方法
- 釣り針の近傍に局所麻酔、 もしくは指神経ブロックを行い痛みをとる.
- より深く刺して釣り針を貫通させる.
- 返し部分を切断する(飛散防止で目を保護).
- 根本を逆方向に引き抜き除去する.
② String-yank法
圧迫して糸で引く方法
- タコ糸程度のしっかりした糸を針および施行者の指に引っかける.
- 針を皮膚面に向かって押さえる.
- 糸を一気に引きぬく.
昔から漁師によく使われる手法である. なお、 糸はギューとゆっくり引くのではなく、 クックッと断続的に勢いをつけて引いたほうが成功しやすい.
③ Needle法
返しを注射針でカバーする方法
- 釣り針の近傍に局所麻酔、 もしくは指神経ブロックを行い痛みをとる.
- 18Gなどの太めの針で返しをカバーする.
- 皮膚から針と釣り針を同時に抜く.
最終更新:2022年3月4日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人