海外ジャーナルクラブ
2年前
Peyronsonらは、 中手骨骨幹部の斜骨折や螺旋骨折の患者を対象に、 運動制限のない保存的治療とスクリュー固定による手術療法の治療効果を比較。 その結果、 運動制限のない保存的治療は手術療法と同等の治療効果を得ることができ、 費用や病気による休暇期間も大幅に少なくなることが明らかとなった。 本研究は、 J Bone Joint Surg Am誌において発表された。
中手骨骨幹部骨折においては、 手術療法、 保存療法に差がないということから、 初期診療における迅速な固定がより重要となる結果といえると思います。
中手骨骨折は全手指骨折の31%を占め、 その多くは非手術で治療可能である。 しかし、 指の中手骨軸の斜骨折や螺旋骨折に対して、 手術療法が非手術療法より優れているかは不明である。
中手骨骨幹部の斜骨折や螺旋骨折の患者42名を以下の2群に無作為に割り付けた。
1年後の健側手と比較した損傷手の握力。
腕・肩・手の障害スコア、 可動域、 中手骨短縮、 合併症、 病気休暇期間、 患者満足度、 およびコスト。
非手術群で有意に短かった。
中手骨骨幹部の斜骨折や螺旋骨折に対する運動制限のない保存的治療は、 手術による治療と同等の転帰を得ることができる。 手術群では費用が大幅に高く (2.8倍)、 病気休暇期間も有意に多い。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。