健康な臓器摘出、 誤認手術どう防ぐ?
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HOKUTO通信

1年前

健康な臓器摘出、 誤認手術どう防ぐ?

健康な臓器摘出、 誤認手術どう防ぐ?
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宮崎県内の市民病院で2015年3月、 腹腔鏡手術を執行した医師が、 本来摘出する必要のない健康な臓器を摘出していたことが発表された。 市民病院は「患者の意向」 として、 患者の性別や摘出した部位は明らかにしていない。

1200万円で和解

市民病院によると、 患者は当時30代。 市は患者に謝罪し、 1200万円を支払い和解する。医師が患者のカルテを確認せず、 摘出部位を思い込んだまま執刀していたことが原因だという

病院側は患者の今後の治療費や定期健診費なども負担するという。市民病院は手術する部位の確認回数を増やすなどして再発防止に取り組んでいる。

誤認手術の防止へ5つの提言

なお、 日本医療機能評価機構の専門協議会は2005年、 誤認手術の防止に向けた5つの手順を提言している。

1 病棟での手術出し前の確認

  • 担当医と看護師は病棟から患者を手術室に送り出す前に、 チェクリストに従い、 カルテや承諾書などで患者名と本人を照合し、 左右を含めた手術部位と術式を確認する必要がある。
  • 原則、 チェックリストに署名した看護師が患者を手術室に搬送する。

2 リストバンド

  • 患者本人を確認する手段としてリストバンド (あるいはカードなど) の活用が望ましい。

3 マーキング

  • 基本的に全ての手術患者に、 術前マーキングを行う必要がある。
  • マーキングは患者が覚醒しているときに行い、 患者に確認してもらうことが望ましい。

4 タイムアウトの実施

  • 執刀医の責任のもと、 麻酔や執刀の前に、 執刀医・麻酔医・外回り看護師がカルテやリストバンドなどで 「患者氏名・手術部位・術式」 を確認する必要がある。 術式に応じてCTやMRIなどの画像所見も確認する。
  • インプラントやペースメーカーなどは、 適したものが揃っていることを執刀医と看護師がタイムアウト時に確認する必要がある。

5 コミュニケーション

  • 上記手順を実行するため、 手術メンバーは安全活動に積極関与し、 職員間のコミュニケーションを高める努力が必要である。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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