HOKUTO編集部
1年前
解説:赤松弘朗先生¹⁾ / 監修:津谷康大先生²⁾
PD-L1≥50%の場合、 プラチナ併用療法+免疫チェックポイント阻害薬(ICI)もしくはICI単独が標準治療である (KEYNOTE-189試験のサブセット、 KEYNOTE-024試験)。 現在日米で比較試験が進行中であるが、 間接的な比較では3剤併用で奏効率(ORR)や無増悪生存期間(PFS)中央値が上回るものの、 長期PFSは同程度とされている。 また、 高齢の場合は、 irAEや化学療法追加による毒性の増加が懸念される。
今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)においては、 75歳以上の患者に対するプラチナ併用療法+ICIとICI単独を比較検証した結果が日本から報告された (Uematsu M)。 毒性の少ない新規薬剤の台頭によって、 最近は日本おいても暦年齢で治療を制限しない流れが増えてはいるが、 ASCOでの報告からICI単独を用いる傾向は強まると考えている。
プラチナ併用療法+ICI vs ICI:1,245例の後方視的研究で年齢・PSなどの臨床背景をマッチさせて解析した。
PD-L1≥50%の場合、 PFSとOSに有意差なし。
正解はありませんが、 3を選択します。
年齢に関わらず、 PD-L1≧50%の場合はICIを主体とした治療が行われ、 プラチナ併用療法も追加するかどうかは議論となる。 外科医が扱うことのある術後再発症例はstage IVの治療法に準じて行うことが多いが、 stage IVと比較して腫瘍量が少ない場合が多いので、 ICI単独が選択されやすい。
個人的には年齢、 併存症、 腫瘍量などを参考にして総合的に判断するが、 80歳でもPS0であれば、 1, 3の両選択肢を示しながら、 患者さんと相談しながら選択している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。