気管支拡張症へのマクロライド系抗菌薬の長期投与に警鐘、 呼吸器学会が適正使用を推奨
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HOKUTO編集部

2ヶ月前

気管支拡張症へのマクロライド系抗菌薬の長期投与に警鐘、 呼吸器学会が適正使用を推奨

 気管支拡張症へのマクロライド系抗菌薬の長期投与に警鐘、 呼吸器学会が適正使用を推奨
日本呼吸器学会は4月25日、  「気管支拡張症に対するマクロライド系抗菌薬の適正使用のお願い」 を同学会公式サイトで発表した。 同サイトでは全文をPDFで閲覧可能である。

ステートメント発出の背景

長期使用で耐性菌の増加・副作用のリスク

気管支拡張症は、 喀痰の貯留、 頻回の急性増悪を主症状とする。 近年、 有病率が増加傾向にあり、 高齢化の進行とともにさらなる患者数の増加が予測されている。 特に急性増悪の頻度は患者の予後に大きく影響を与えるため、 その管理が重要な課題となる。

マクロライド系抗菌薬による少量長期投与は、 気管支拡張症の急性増悪頻度を低減することが知られており、 一定の条件下での投与が推奨されているが、 長期使用に伴う耐性菌の増加や副作用のリスクが指摘されており、 その適応については慎重な検討が必要である。

適正使用のための推奨事項

ポイントは4つ

同学会は適正使用のための推奨事項として、 主に以下の4つを示した。

  • 対象患者を限定する

急性増悪の既往があり、 他の治療法で管理困難な患者に限定して適応を考慮

  • 不必要な長期使用は避ける

6ヵ月以上継続の有効例も示されているが、 定期的な評価で治療の継続の可否を判断

  • 耐性菌リスクを抑える

耐性菌の出現を防ぐため、 不適切な投与は厳に慎む。 適応のない症例では他療法も検討

  • 副作用管理を徹底する

消化器症状、 肝機能障害、 QT延長による心血管リスク、 聴覚障害などのモニタリングは不可欠

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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