「宿日直全体が労働時間」 地裁が異例判決、 国の判断覆す
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HOKUTO通信

1ヶ月前

「宿日直全体が労働時間」 地裁が異例判決、 国の判断覆す

 「宿日直全体が労働時間」 地裁が異例判決、 国の判断覆す
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東京都内の大学病院に勤務していた男性医師 (56) が、 宿直中に診療をしていたのに、 国が労働時間と認めずに労災認定をしなかった事案について、 東京地裁が国の認定を取り消す異例の判決を言い渡した。 

仮眠や待機も労働時間

判決は2026年3月16日付。

裁判で焦点となったのは 「宿日直許可」。 医療機関の申請に基づいて国が管轄する労働基準監督署が許可すれば特例的に労働時間の対象外となる制度だが、 今回の判決では、 仮眠や待機を含む全時間を 「労働時間」 と認定。 月100時間超の時間外労働があったと判断した。 国が控訴せず、 判決は確定した。

医師は大学病院で2011年から勤務。 緩和医療科の助教だった2018年、 くも膜下出血を発症して寝たきりとなり、 療養補償と休業補償を求めて労災申請した。

一方、 国が管轄する労働基準監督署は、 宿直中の仮眠時間を労働時間から除外。 電子カルテに記載のある時間帯のみを労働とし (その後の再審査請求では、 宿日直許可を取得していたことを根拠に宿直中の労働時間をゼロと評価)、 それ以外の待機時間は 「労働する必要のない勤務」 としたほか、 くも膜下出血の発症も業務に起因するものとは認められないとして、 労災と認めなかった。

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「一定の緊張状態にあった」

今回、 地裁は医師の勤務実態を精査。 入院患者の急変や看護師からの呼び出しに対応したり、 カルテ作成をしたりしており、 患者の急変に備えた待機自体が 「使用者の指揮命令下にある時間」 と認定した。

また、 仮眠時間が長い宿直日だとしても、 「一定の緊張状態」 にあったと判断。 宿直業務の労働時間を再評価した結果、 月100時間超の時間外労働を行っており、 くも膜下出血の発症も業務起因性があると結論づけた。

病院経営や夜間診療体制に影響も

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宿日直許可は、 労働時間の上限規制の 「抜け穴」 となっているとの批判は根強く、 今回の判決はその問題を司法が直接取り上げた点で注目される。

宿直中の仮眠や待機時間を労働として労災認定が行われるようになれば、 病院経営や夜間診療体制の設計にも影響が及ぶ可能性がある。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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