海外ジャーナルクラブ
21日前
Qiangらは、 新規に診断された高リスク多発性骨髄腫 (NDMM) を対象に、 B細胞成熟抗原/CD19二重標的型CAR-T細胞療法GC012Fの安全性、 薬物動態、 患者の健康および生存転帰について、 第I相単群非盲検コホート試験で検討した。 その結果、 GC012Fは高リスクNDMM患者に対し安全に投与可能であり、 良好な生存転帰をもたらす可能性が示された。 本研究はJAMA Oncolにて発表された。
Brief Reportとして簡潔に記載されています。 単施設、 single arm、 open-labelのP1研究ですので、 今後のさらなる研究成果が期待されます。
高リスクNDMMは、 標準治療では予後不良であることが多いため、 新たな第1選択治療の開発が必要とされている。
B細胞成熟抗原/CD19二重標的型CAR-T細胞療法GC012Fの開発が進められているが、 移植適応のある高リスクNDMMに対する第1選択治療としての使用は十分に検討されていない。
2021年6月28日~2023年6月1日に中国の単一施設で治療を受けた高リスクNDMM患者22例に対し、 2サイクルの導入療法後、 GC012Fを3種類の異なる用量レベル*で投与した。
主な評価項目はGC012Fの安全性、 有効性、 薬物動態とした。
22例中6例に軽度~中等度 (Grade1~2) のサイトカイン放出症候群が発現した。 神経毒性の発現を示した患者はいなかった。
有効性評価の対象となった19例全例が厳格な完全奏効 (stringent CR) を示し、 微小残存病変 (MRD) は陰性だった。
治療効果は用量レベルにかかわらず一貫して示され、 奏効までの期間中央値は84日 (範囲 26-267日)、 微小残存病変陰性を達成するまでの期間中央値は28日以内 (同23-135日) だった。
CAR-T細胞は強固に拡大し、 ピークコピー数中央値は6万652コピー/μgゲノムDNA (範囲 8,754-33万1,159コピー/μgゲノムDNA) で、 ピークコピー数までの期間中央値は10日 (範囲 9-14日) だった。
著者らは 「本試験の結果から、GC012Fは高リスクNDMM患者に対して予後を改善し、かつ安全な治療であることが示唆された。 サンプルサイズが小さいため、 より大規模コホートでの検証、 および長期間の追跡調査が必要である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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