海外ジャーナルクラブ
13日前

Taiらは、 焦点てんかん患者における睡眠と認知機能および認知症リスクとの関連を、 前向きコホート研究UK Biobankの二次解析で健常対照者および脳卒中患者と比較検討した。 その結果、 焦点てんかん患者では、 睡眠の改善が認知機能の向上および認知症リスクの低減に関連する可能性が示唆された。 本研究はNeurology誌において発表された。
UK Biobankの医療情報は診療録、 死亡診断書、 自己申告に基づいており、 情報の誤分類や不正確性の可能性があります。
睡眠障害および認知機能障害は、 焦点てんかんにおける重要な併存症である。 しかし、 焦点てんかんにおいて睡眠が認知機能および長期的な認知症リスクにどの程度影響を及ぼすかについては、 他の脳疾患と比較して依然として不明である。
そこで前向きコホート研究で、 焦点てんかん患者における睡眠、 認知機能、 および認知症リスクの関連を健常対照者および脳卒中患者と比較検討した。
2006~10年にベースライン評価が実施され、 2021年まで追跡された前向きコホート研究であるUK Biobankのデータを用いて、 ベースライン時に認知症が認められず、 相互に排他的な焦点てんかん患者、 脳卒中患者、 または健常対照者で構成*される38~72歳の参加者48万2,207例 (平均年齢 57.6歳 [標準偏差 8.1歳]、 女性 53.8%) およびその中の画像検査サブサンプル4万2,345例を解析した。
睡眠特性には、 睡眠時間、 閉塞性睡眠時無呼吸、 不眠症、 昼寝、 居眠りに関する自己申告が含まれた。
主な評価項目は、 Cox比例ハザードモデルを用いた全原因による認知症およびアルツハイマー病の発症リスク、 および一般化線形モデルを用いた実行機能指標と脳の海馬全体および灰白質体積の比較であった。
最適な睡眠 (睡眠時間 6~8時間) は、 健常対照群、 焦点てんかん群、 および脳卒中群のいずれにおいても、 実行機能の向上と関連していた。
最適な睡眠の影響は、 健常対照群と比べて焦点てんかん群で有意に高かった (交互作用のp=0.009) 一方で、 脳卒中群では健常対照群との間に有意差が認められなかった (交互作用のp=0.574)。
非最適な睡眠は、 焦点てんかんの診断の最大8年前まで遡って、 実行機能の低下と関連していた。
非最適な睡眠を有する焦点てんかん群では、 最適な睡眠を有する健常対照群と比べて、 認知症リスクが5倍に増加していた (HR 5.15 [95%CI 3.77-7.04]、 p<0.001)。
このリスク増加は、 非最適な睡眠を有する脳卒中群 (HR 3.48 [95%CI 2.82-4.26]、 p<0.001) よりも大きかった。
焦点てんかん群では、 最適な睡眠は非最適な睡眠と比べて認知症リスク低下と関連し、 その低下幅は健常対照群と比べて有意に大きかった (交互作用のp=0.017)。 一方、 脳卒中群では、 健常対照群との間に有意差は認められなかった (交互作用のp=0.991)。
著者らは 「焦点てんかん患者において、 最適な睡眠は脳卒中患者や健常対照者と比べて、 認知機能および認知症リスクの双方により強い影響を及ぼすことが示された。 自己申告に基づく睡眠データではあるものの、 これらの結果は、 特に焦点てんかんにおいて睡眠の改善が認知機能の向上および認知症リスクの低減に関連する可能性を示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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