亀田総合病院
8ヶ月前
慢性閉塞性肺疾患 (Chronic obstructive pulmonary disease: COPD) はタバコを主とする有害物質を吸入することで発症する呼吸器疾患です。 世界各国のCOPDの有病率調査では、 10%前後とする報告が多く、 2019年のWHO(世界保健機関)調査では、 COPDは死因の第3位 (総死亡の6%)¹⁾です。
2000年に日本で行われたNICE Study (Nippon COPD Epidemiology Study) では、 FEV1.0/FVC<70%をCOPDと定義して集計したところ、 40歳以上の日本人の8.6%(530万人) がCOPDに罹患していると考えられ、 世界の国々と同程度の高い有病率であることが明らかにされました²⁾。
一方、 気流閉塞が認められた被験者のなかで、 すでにCOPDと診断されていたのは9.4%に過ぎず、 多くのCOPD患者が見過ごされている現状が浮き彫りにされました。
2017年の厚生労働省患者調査によるCOPD総患者数は22万人のみであり、 今でも多くのCOPD患者が未診断のままと考えられます。
喫煙の量を示す国際的な指標として、 喫煙指数 Pack-yearsがあります。 すなわち「1日のタバコの箱数×年数」という意味です。
Pack years= (1日の喫煙本数/20本) ×喫煙年数
統計上は、 COPD患者の90%に喫煙歴があり、 COPDの発症率は20pack-yearsの喫煙者では19% (約20%)³⁾、 60pack-years以上の重喫煙者では約70%⁴⁾になります。 クリニカルパールとしては、 記憶しやすいように「喫煙歴20pack-yearsの患者の20%がCOPDである」と覚えておきましょう。
呼吸困難で外来を受診した患者さんには、 必ず喫煙歴を確認し、 特に20pack-yearsを超えていれば、 「目の前の患者さんは少なくとも20%の確率でCOPDがある」と考え、 積極的に呼吸機能検査を行って欲しいと思います。
▶亀田総合病院 呼吸器内科の紹介
一言:当科では教育および人材交流のために,日本全国から後期研修医・スタッフ(呼吸器専門医取得後の医師)を募集しています.ぜひ一度見学に来て下さい.
連絡先:部長 中島啓
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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