【亀田総合病院内科グランドセミナー】病態に応じた糖尿病治療薬の選択と治療(三浦正樹先生)
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亀田総合病院

10ヶ月前

【亀田総合病院内科グランドセミナー】病態に応じた糖尿病治療薬の選択と治療(三浦正樹先生)

【亀田総合病院内科グランドセミナー】病態に応じた糖尿病治療薬の選択と治療(三浦正樹先生)

講演情報

講師:三浦正樹先生

亀田総合病院 糖尿病・内分泌内科

糖尿病における治療・薬剤選択のポイント

糖尿病治療の最終目標は糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLを享受してもらうことです。 しかし、 高齢化が進み、 加齢に伴う合併症などを含めた管理も重要になってきています。 日本における糖尿病治療や薬剤選択のポイントについて簡単に解説します。 

介入すべき血糖値レベルは?

治療の目的

糖尿病の合併症 (網膜症、 腎症、 神経障害) および動脈硬化性疾患の発症・進展阻止

各種臨床試験の結果

▼Kumamoto Study

2型糖尿病を対象に、 血糖と網膜症、 腎症の悪化率の関係を調査した本邦の研究

HbA1cが7%を超える。 または 空腹時血糖140以上、 食後2時間血糖210を超えると高リスク

▼DCCT Study

1型糖尿病を対象に、糖尿病網膜症の進行を調査した海外の研究

本邦の報告と同様に、 HbA1c 7.0を軸として網膜症の発症率が増えた

治療により網膜症発症率は低下?

治療によってHbA1c 9.0に維持した群とHbA1c 7.0に抑えた群を比較すると、 網膜症の発症率が30%以上違う (DCCT研究)。

血糖コントロール目標

一般的な血糖コントロール目標

  • 血糖正常化を目指す場合:HbA1c < 6.0
  • 合併症予防のための目標:HbA1c < 7.0
  • 治療強化が困難な場合:HbA1c < 8.0
治療目標は年齢、 罹病期間、 臓器障害、 低血糖の危険性、 サポート体制などを考慮して個別に設定する。 

高齢者の血糖コントロール目標

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三浦正樹氏の発表資料より
高齢者は低血糖などの恐れもあり、 通常の成人患者と比較し、 きめ細かく診る必要がある。 訴訟案件になることもあるので、 上記の表に沿ったコントロールを覚える必要がある。 

2型糖尿病歴と膵β細胞機能低下

早期診断、 早期介入が重要

IGTや食後高血糖でもβ細胞の機能は低下しているが、 糖尿病と診断された時点ですでに50%の機能低下が起きている。 そのまま経過すると14年くらいで膵臓の機能が破綻し、 インスリン依存になる。 

しかし、 膵β細胞を守る治療をすれば、 その機能は枯渇することなく保ことができるので、 早期診断、 早期介入が重要。 

膵β細胞の機能はどのように把握すべきか

尿中CペプチドまたはCペプチドインデックス (CPI)により、内因性インスリン分泌能を測定。

▼尿中Cペプチド:1日蓄尿で測定

  • <30μg/日:分泌能は低下している
  • ≧60μg/日:分泌能は保たれている

▼CPI:血中Cペプチド/空腹時血糖値×100 

  • <0.8:分泌能は低下している
  • ≧1.2:分泌能は保たれている
CPI: Cペプチドインデックス
インスリン分泌能は保たれているが血糖値が下がらない場合は、 インスリン抵抗性の病態 (内臓脂肪の蓄積、 筋力低下) が考えられる。

本邦で推奨される治療

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三浦正樹氏の発表資料より

適切な薬剤を使用するためには病態の把握が重要。

2型糖尿病の薬物療法アルゴリズム

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三浦正樹氏の発表資料より
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三浦正樹氏の発表資料より

糖尿病治療薬の比較

血糖降下作用、低血糖リスク、禁忌、服薬継続率、コスト

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三浦正樹氏の発表資料より

まとめ

  • 内因性インスリン分泌能を測定し、 病態に適した薬剤を選択する。
  • 臓器保護、 体重、 コストの観点より治療方法を選択する必要がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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