海外ジャーナルクラブ
2日前

Barcoらは、 鼠径部以下の下肢動脈疾患を対象に、 シロリムスコーティングバルーンによる血管形成術の主要下肢有害事象の低減効果を非コーティングバルーンによる血管形成術と比較する非劣性無作為化比較試験SirPADを実施。 その結果、 1年以内の主要評価項目 (大切断または標的病変の血行再建術の複合) の発生率は、 シロリムスコーティングバルーン群で8.8%、 非コーティングバルーン群で15.0%であり、 シロリムスコーティングバルーンの非コーティングバルーンに対する非劣性および優越性が示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。
非計画的患肢切断はシロリムスコーティングバルーン群5.9%、 非コーティング群8.8%でしたが (絶対リスク差 -2.9%㌽、 95%CI -5.8~0.0)、 群間差を検出するには統計学的検出力が不十分でした。
鼠径部以下の下肢動脈疾患に対する血管形成術において、 シロリムスコーティングバルーンが主要下肢有害事象の発生を減少させるかどうかは明らかになっていない。 本試験は、 この点を検証する目的で実施された。
本試験は、 鼠径部以下の下肢動脈疾患患者を対象とした非盲検の非劣性無作為化比較試験である。 優越性については事前規定の逐次検定戦略を用い*、 転帰判定は盲検下で実施された。
1,252例が以下の2群に1:1で無作為化された。
主要評価項目は、 無作為化後1年以内に発生した標的肢の予定外の大切断または重症下肢虚血に対する標的病変の血管内治療/外科的血行再建術の複合評価項目とした。 主な副次評価項目は、 より広い範囲の切断・血行再建を含む複合評価項目**であり、 主要安全性評価項目は無作為化後1年以内の全死因死亡であった。
試験に登録された1,252例の年齢中央値は75歳で、 35.1%が女性であった。
主要評価項目のイベントはシロリムスコーティングバルーン群で55例 (8.8%)、 非コーティングバルーン群で94例 (15.0%) に発生し、 リスク差の中央値不偏推定値は-4.9%㌽ (95%CI -8.5~-1.3, 非劣性p<0.001, 優越性p=0.009) であり、 シロリムスコーティングバルーンは非コーティングバルーンに対する非劣性と優越性のいずれの基準も満たした。
主な副次評価項目のイベントはシロリムスコーティングバルーン群で144例 (23.0%)、 非コーティングバルーン群で193例 (30.8%) に発生し (リスク差-7.8%㌽〔95%CI -12.7~-2.9, p=0.002〕)、 シロリムスコーティングバルーン群では非コーティングバルーン群に比べて発生率が低かった。
主要安全性評価項目である死亡はシロリムスコーティングバルーン群で74例 (11.8%)、 非コーティングバルーン群で80例 (12.8%) に発生し (リスク差-1.0%㌽〔95%CI -4.6~2.7, p=0.67〕)、 有意差は認められなかった。 有害事象の発現率は両群で概ね同程度であった。
著者らは、 「血管内治療を受ける鼠径部以下の下肢動脈疾患の患者において、 シロリムスコーティングバルーンによる血管形成術は、 非コーティングバルーンによる血管形成術と比べて、 1年時点の主要下肢有害事象の発生率を低下させた」 と結論付けている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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