海外ジャーナルクラブ
1年前
Whelanらは、 ルミナルA型乳癌の患者を対象に、 乳房温存手術後の放射線治療について前向きコホート研究で検討。 その結果、 術後放射線治療を省略したとしても5年後の局所再発率は低かった。 本研究はNEJM誌において発表された。
本研究デザインでなぜRCTではなく前向きコホートなのか?と疑問に思った方は多いと思います。 その理由を下記に記載しています。
A randomized trial could address the effectiveness of radiotherapy in such a population but would require a very large sample to rule out a very small difference. A carefully controlled prospective cohort study is more efficient yet can also be very precise.
局所再発リスクを低減するため、 乳房温存手術後の術後放射線療法が行われてきた。 しかし、 放射線療法は高額で、 短期・長期両方の副作用を伴う。 局所再発リスクが低ければ放射線療法を省略することができるが、 対象患者の同定を臨床病理学的因子のみで行うことの有用性は限られていた。 分子的に定義された乳癌の内因性サブタイプからの予後情報が得られる可能性があり今回の検証を行った。
T1N0 (腫瘍径2cm未満、 リンパ節転移陰性)、 グレード1または2のルミナルA型乳癌で、 乳房温存手術後、 術後内分泌療法を受けた55歳以上の女性患者を対象に前向きコホート研究を行った。登録された740 例のうち、 適格患者500例を組み入れた。
同側乳房における局所再発
組み入れ後5年時点での再発報患者 2.3%
対側乳癌の発生率 1.9%
すべてのタイプの乳癌の再発 2.7%
55歳以上のT1N0、 グレード1または2のルミナルA型乳癌で、 乳房温存手術と内分泌療法のみで治療した女性において、 放射線療法の省略による5年局所再発率は低かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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