【SERENA-6】ESR1変異検出時のcamizestrant切替でPFS改善、 リスク56%減 : 進行乳癌
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HOKUTO編集部

11ヶ月前

【SERENA-6】ESR1変異検出時のcamizestrant切替でPFS改善、 リスク56%減 : 進行乳癌

【SERENA-6】ESR1変異検出時のcamizestrant切替でPFS改善、 リスク56%減 : 進行乳癌
HR陽性HER2陰性進行乳癌を対象に、 ctDNAによるESR1遺伝子変異検出段階でCDK4/6阻害薬 (CDK4/6i) への併用薬をアロマターゼ阻害薬 (AI) から経口SERDのcamizestrant*に切り替えるアプローチの有用性を評価した国際多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験SERENA-6の中間解析において、 PFSの有意な改善が示された。 英・Royal Marsden HospitalのNicholas C. Turner氏が発表した。 同詳細はN Engl J Med. 2025年6月1日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
*次世代の選択的エストロゲン受容体分解薬 (SERD) でありエストロゲン受容体 (ER) への完全拮抗薬

背景

ESR1変異を伴うAI耐性の早期対応が課題

ESR1変異は、 HR+/HER2–進行乳癌への標準的な1次治療であるAI+CDK4/6i併用療法に対する最も一般的な獲得耐性のメカニズムとして知られている。 このESR1変異については、 ctDNAのモニタリングにより、 AI+CDK4/6i併用療法時に病勢進行 (PD) を認める前に検出が可能である。

HR+/HER2–進行乳癌を対象とした第III相非盲検無作為化比較試験PADA-1では、 ESR1変異検出に基づき、 CDK4/6iパルボシクリブの併用薬をAIからエストロゲン受容体分解薬 (SERD) のフルベストラントへ切り替えることで無増悪生存期間 (PFS) が有意に改善した²⁾。 また、 第Ⅱ相非盲検無作為化試験SERENA-2では、 フルベストラントと比べてcamizestrantでPFSが有意に改善した³⁾。

そこでSERENA-6試験では、 PD前にESR1変異が検出されたHR+/HER2–進行乳癌に対して、 AIからcamizestrantへの早期切り替えの有用性を評価した。

試験の概要

対象はESR1変異が検出されPDを認めないHR+/HER2–進行乳癌315例

1次治療としてAI+CDK4/6i併用療法を6ヵ月以上継続していたHR+/HER2–進行乳癌患者3,256例のうち、 ESR1変異が検出されPDが認められなかった315例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • camizestrant群 : 157例
camizestrant 75mg1日1回+CDK4/6i+プラセボ
  • 継続群 : 158例
AI+CDK4/6i+プラセボ

層別化因子は転移部位 (内臓転移あり・なし)、 ESR1変異の検出タイミング (初回検査時、 その後の検査時)、 AI+CDK4/6iの治療開始から無作為化までの期間 (<18ヵ月、 ≧18ヵ月)、 CDK4/6iの種類 (パルボシクリブ、 ribociclib、 アベマシクリブ) だった。

主要評価項目は担当医師評価によるPFSが設定された。 重要な副次評価項目は次治療後の無増悪生存期間 (PFS2) および全生存期間 (OS)、 その他の副次評価項目は安全性、 患者報告アウトカム (PRO) などだった。

試験の結果

患者背景は両群で同様

ベースラインにおいて年齢中央値は両群ともに61歳、 閉経後女性はcamizestrant群で78.3%、 継続群で80.4%、 ECOG PS 1はそれぞれ30.6%、 35.4%、 内臓転移ありは42.0%、 44.9%、 初回検査でのESR1変異検出は53.5%、 53.2%、 AI+CDK4/6iの治療開始から無作為化までの期間≧18ヵ月は62%、 63%だった。

camizestrantへの早期切り替えで増悪リスクが56%低減

中間解析 (追跡期間中央値12.6ヵ月) におけるPFS中央値は、 継続群の9.2ヵ月 (95%CI 7.2-9.5ヵ月) と比べてcamizestrant群では16.0ヵ月 (同 12.7-18.2ヵ月) と有意に改善した (調整HR 0.44 [同 0.31-0.60]、 p<0.0001)。 24ヵ月時の推定PFS率はそれぞれ29.7% (95%CI 19.0-41.2%)、 5.4% (同 0.7-18.2%) だった。

また事前に規定された多くのPFSサブグループにおいて、 camizestrant群のベネフィットが一貫して認められた。

PFS2はimmatureながらも改善傾向

PFS2のHRは0.52 (95%CI 0.33-0.81、 maturity 27%) だった。 OSはimmature (12%) であり、 今回の発表では報告されなかった。

健康状態/QOL悪化までの期間も改善

PROであるEORTC QLQ-C30の全般的QOL尺度 (全般的健康状態/QOL) の無作為化から悪化までの期間中央値は、 camizestrant群が23.0ヵ月 (95%CI 13.8ヵ月-NC)、 継続群が6.4ヵ月 (同 2.8-14.0ヵ月) だった (調整HR 0.53 [同 0.33-0.82]、 p<0.001)。

安全性プロファイルは既知と一致

有害事象による中止率は、 camizestrant群で1.3% (2例)、 継続群で1.9% (3例) といずれも低かった。 camizestrant群における忍容性は良好であり、 安全性プロファイルは既知と一致した。

結論

ctDNAによるESR1変異検出に基づく治療戦略の有用性を支持

Turner氏は 「AI+CDK4/6iによる治療中にESR1変異が検出されたHR+/HER2– 進行乳癌において、 AIからcamizestrantへの早期切り替えによりPFSが有意に改善した。 SERENA-6試験は、 ctDNAを用いてESR1変異を検出し、 PD前に治療変更の判断材料とするアプローチの有用性が実証された、 世界初の第Ⅲ相試験となった。 これらの知⾒は、 1次治療の患者転帰を最適化するための新たな治療戦略となる可能性を⽰している」 と報告した。

出典

¹⁾ NEJM.2025年6月1日オンライン版

²⁾ Lancet Oncol. 2022 Nov;23(11):1367-1377.

³⁾ Lancet Oncol. 2024 Nov;25(11):1424-1439.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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