海外ジャーナルクラブ
13日前

Liaoらは、 喘息でバイオ製剤を開始した成人を対象に、 IL-4受容体α拮抗薬デュピルマブと他バイオ製剤3剤 (オマリズマブ・メポリズマブ・ベンラリズマブ) のリンパ腫発症リスクを後ろ向きコホート研究で比較した。 その結果、 最長5年の追跡でリンパ腫発症率は、 1,000人年当たりデュピルマブで1.5であり、 他3剤のいずれとも有意差は認められなかった。 乳癌・肺癌・前立腺癌の発症にも差はなかった。 研究結果はChest誌に発表された。
傾向スコアマッチング後もデュピルマブ群とオマリズマブ群でFEV1/FVCに不均衡 (標準化平均差 [SMD] =0.294) が残存しており、 肺機能や喘息の重症度・表現型の違いによる残余交絡の可能性があります。
IL-4受容体α拮抗薬デュピルマブは成人喘息の治療を大きく変えた一方で、 リンパ腫 (とりわけ皮膚T細胞リンパ腫) の発症との関連が報告されている。 デュピルマブと他の喘息治療用バイオ製剤との間でリンパ腫リスクが異なるかは明らかでない。
そこで、 成人喘息患者におけるデュピルマブとオマリズマブ・メポリズマブ・ベンラリズマブのリンパ腫発症率を比較した。
TriNetX global federated health research networkを用いた後ろ向きコホート研究であり、 2015~25年にデュピルマブ・オマリズマブ・メポリズマブ・ベンラリズマブのいずれかを開始した成人喘息患者を対象に、 傾向スコアマッチングでベースラインの人口統計学的因子および臨床的特性を均衡化した。 マッチング後の解析対象は以下の通りである。
追跡期間は最長5年である。 主要評価項目はリンパ腫発症率、 副次評価項目は肺癌・乳癌・前立腺癌の発症とした。 HRと95%CIはCox比例ハザードモデルで推定した。
最長5年追跡後のリンパ腫発症率 (1,000人年当たり) はデュピルマブ群で1.5で、 対する他薬剤は以下の通りでいずれも有意差はなかった。
リンパ腫発症率 (1,000人年当たり)
(HR 1.25、 95%CI 0.78-2.00)
(HR 0.91、 95%CI 0.53-1.56)
(HR 0.84、 95%CI 0.47-1.51)
肺癌・乳癌・前立腺癌についても、 群間に有意な差は認められなかった。
著者らは、 「最長5年間の追跡期間において、 デュピルマブと他バイオ製剤との間でリンパ腫発症率に統計学的有意差は認められなかった。 これらの結果は、 デュピルマブのリンパ腫リスクに関して、 他バイオ製剤と比較した場合の安全性を支持するものであり一定の安心材料を提供するものと考えられる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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