海外ジャーナルクラブ
20日前

Bhattらは、 動脈硬化性心血管疾患 (ASCVD)の既往がある、 またはASCVDリスクが高く、 直近にスタチンの服薬不遵守が認められた成人を対象に、 反応に応じて段階的に行うデジタル通知が、 短期的なスタチン再処方率を改善するかどうかを検討した。 その結果、 14日以内の再処方率は、 初回デジタル通知群で14.4%と、 通常連絡群の12.0%を上回った。 初回通知に反応しなかった患者への再通知でも、 再処方率は通常連絡群を上回った (13.0% vs 10.4%)。 一方、 通知手段を変更しても、 同じ手段で通知を繰り返す場合を上回る効果は認められなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
主要評価項目は14日以内のスタチン再処方 (refill) であり、 長期的な服薬アドヒアランスや継続性は評価されていません。 365日間の評価は現在進行中です。
予防可能な心血管イベントの主要な要因のうち、 スタチンの服薬不遵守は介入可能な課題である。
予防医療の推進に用いられる従来の連絡手段は画一的なものが多く、 無作為化比較試験での検証は不十分である。
本試験は、 ASCVDの既往を有する、 または高リスクで、 直近にスタチンの服薬不遵守が認められた成人を対象に、 通知への反応に応じた段階的なデジタルアウトリーチ (SMSや電子メールなどを用いた個別の通知) が、 通常の連絡手段に比べて短期的なスタチンの再処方率を改善させるか否かを検証する目的で実施された。
実臨床下・医療システム組み込み型の前向き無作為化比較試験*ADHERE-ASCVDは、 460万人超の会員を有する統合型医療提供システムKaiser Permanente Northern Californiaで実施された。
対象は、 ASCVDの既往がある、 または高リスクで、 直近にスタチンの服薬不遵守が認められ、 かつ、 本試験で用いる全てのデジタル通知が知用可能な18歳以上の成人とした。
対象患者を、 以下の4群に1:1:1:1で無作為に割り付けた。
14日以内に反応がなかった初回無反応者は、 事前に規定された第2段階の無作為化により、 同一手段で通知を繰り返す群、 連絡手段を変更する群、 通常連絡を行う群のいずれかに割り付けられた。
主要評価項目は、 各無作為化後14日以内のスタチン再処方率 (処方リフィル) **であり、 追跡期間は28日間とした。
参加者2万604例の平均 (SD) 年齢は54.8 (9.0) 歳、 女性が40.9%、 アジア系27.8%、 黒人10.9%、 ヒスパニック系33.6%であり、 ASCVD既往を有する者は15.3%であった。
14日以内のスタチン再処方率は、 初回のデジタル通知群 (ポータル・SMS・電子メールを統合) で14.4%と、 通常連絡群の12.0%を上回った (調整リスク差2.3%㌽、 95%CI 1.3-3.4、 調整リスク比1.20、 95%CI 1.10-1.30)。
初回無反応者に対してデジタルアウトリーチを再度行った群では、 14日以内再処方率は13.0%と、 通常連絡群の10.4%を上回った (調整リスク差2.5%㌽、 95%CI 1.3-3.7、 調整リスク比1.25、 95%CI 1.11-1.39)。
一方、 連絡手段を変更しても、 同一手段を繰り返した場合に比べて再処方率は改善しなかった (13.2% vs 12.5%、 調整リスク比1.06、 95%CI 0.94-1.17)。
28日以内の累積再処方率についても、 何らかのデジタル通知を受け取った群では、 通常連絡群に比べて高かった (24.9% vs 21.2%、 調整ハザード比1.21、 95%CI 1.13-1.30)。
これらの結果は、 事前に規定されたサブグループ間で一貫していた。
著者らは、 「反応に応じたデジタルアウトリーチは、 通常の連絡手段と比べて短期的な再処方率を改善し、 初回通知に反応しなかった患者への再通知にも上乗せ効果が認められた。 一方、 通知手段を変更することによるさらなる有益性は認められなかった」 と結論付けた。 その上で、 「反応に応じた段階的な通知戦略を集団健康管理プログラムに組み込むことで、 心血管疾患の予防に寄与する可能性がある」 との見解を示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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