米国胸部学会 (ATS 2025) 現地レポート~若手と共に参加して~ (中島啓先生)
著者

亀田総合病院

8ヶ月前

米国胸部学会 (ATS 2025) 現地レポート~若手と共に参加して~ (中島啓先生)

米国胸部学会 (ATS 2025) 現地レポート~若手と共に参加して~ (中島啓先生)

2025年5月18~21日、 米・サンフランシスコで米国胸部学会 (ATS 2025) が開催されました。 本稿では、 亀田総合病院呼吸器内科主任部長の中島啓先生に、同院の若手の先生方とともに ATS 2025へ参加して得られた経験や、 会場全体の雰囲気などについてご報告いただきました。

(記事内掲載の写真は全て中島氏提供)

はじめに

ATSは、 呼吸器内科領域における世界中の研究者が一同に会し、 最新の知見を交換する、 まさに 「知の祭典」 です。 その熱気あふれる現場に、 当院の若手医師と共に参加しましたので、 ご報告します。

ATS 2025の概要

世界最大規模の呼吸器内科系の学会、 熱気あふれる会場

ATS 2025の開催地は、 サンフランシスコのMoscone Centerと、 その周辺ホテル群でした。 会場の至る所で、 「Meet the Expert」 や 「Year in Review」 といったセッションが同時進行し、 世界のトップランナーたちの議論に触れることができます。

一つひとつのセッションが明日からの臨床や研究のヒントに満ちており、 知的好奇心が絶えず刺激されるのを感じました。 たとえ聞き逃したとしても、 多くのセッションがオンデマンドで後日視聴可能な点も、 ATSの大きな魅力です。

▼開催地、 サンフランシスコのMoscone Center
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会場の雰囲気

ATS 2024に比べ日本人参加者が増加

コロナパンデミックを経て、 会場には明らかに昨年 (ATS 2024) を上回る数の日本人医師の姿があり、 国際的な学術交流が本格的に再開されたことを肌で感じました。

▼Thematic Poster Sessionの会場。 巨大なホールに膨大な数のポスターが並ぶ。
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近隣では最先端テクノロジーも体感

サンフランシスコでは自動運転による無人タクシー (Waymo) が、 指定された地域で至るところを走っており、 米国のテクノロジーの進化に驚きました。 日本でも近い将来同じ状況になるのかなと感じました。

▼自動運転による無人タクシー (Waymo)
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サンフランシスコの 「光と影」 学ぶ場にも

学会参加の合間には、 サンフランシスコの街も散策しました。 ゴールデンゲートブリッジの壮大さ、 ヨセミテ国立公園の神々しいまでの自然。 日常の喧騒から離れ、 米国の雄大な文化と自然に触れる経験は、 我々に人間的な深みと、 物事を俯瞰する広い視野を与えてくれます。 この経験は、 必ずや若手たちの今後の医師人生の糧となるでしょう。

▼サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ
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同時に、 華やかな観光地のすぐ側に、 深刻な社会問題が存在する 「光と影」 も目の当たりにしました。 これもまた、 海外の状況を理解する上で、 貴重な学びであったと感じます。

亀田総合病院呼吸器内科の発表

4人の若手医師が現地発表~挑戦と成長~

今回、 当科からは4人 (医師8年目1人、 専攻医3人[ 5年目2人、 4年目 1人] ) の若手医師が、 国際学会という大舞台に初めて挑みました。 それぞれが事前に万全の準備を重ね、 英語でのプレゼンテーションや質疑応答のシミュレーションを繰り返してきた成果もあり、 皆、 堂々と発表をやり遂げてくれました。 その頼もしい姿は、 指導者として大変誇らしく、 感慨深いものがありました。

肺MAC症のPoster Discussion Sessionで専攻医が活躍

特に、 専攻医の1人 (4年目) は最も難しい形式の1つである 「Poster Discussion Session」 での発表となりました。 肺MAC症に関する彼の研究は多くの注目を集め、 さまざまな国の研究者から次々と質問を受けました。 さらに、 セッション後半では、 座長の指示で関連テーマの研究者たちと即席のグループを形成し、 ショートプレゼンテーションとディスカッションを行うという、 まさに英語力と対応力が試される展開に。

しかし彼は、 学生時代から地道に続けてきた英会話のトレーニングの成果を存分に発揮し、 見事にこの挑戦を乗り越えました。 彼の姿に、 英会話力を培っておくことの重要性を同僚たちも感じたことと思います。

▼Poster Discussion Sessionで発表する専攻医
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中島氏の現在地と次なる目標

2回目の参加、 昨年より世界との距離が縮まったような手応え

私自身は、 ATSは昨年に続き2回目の参加です。 「ATSに毎年参加して、 海外の医師と交流する」 という目標を立て、 この1年間、 英語学習にも真剣に取り組んできました。 その甲斐あってか、 昨年と比べると、 講演の深い内容や質疑応答のニュアンスまで聞き取れるようになり、 世界との距離が縮まったような手応えを感じました。 ポスターセッションで興味を引かれた研究者と直接議論を交わし、 知見を深めることができたのは、 この上ない喜びです。

また、 チームの若手医師が応答に窮した際にはサポートに入り、 チーム一丸となって学会に臨むことができました。 ネットワーキングディナーでは、 私の憧れだった海外の医師たちとも交流を深めることができました。

英語コミュニケーションのさらなる上達目指す

しかし、 時折言葉に詰まる瞬間もあり、 より流暢で的確なコミュニケーションのためには、 まだ先があることも痛感しました。 この悔しさが、 次の一年に向けた新たなモチベーションとなります。

来年は自分自身の発表も

また今年は解析が間に合わず自分自身の発表をすることができませんでした。 来年度は自分自身の発表や論文をもって学会に臨めるように取り組みたいと思います。

▼当科の若手医師との記念写真
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若き同志たちへのメッセージ

ATS参加経験が必ず日々のモチベーションにつながる

ATSは、 呼吸器内科の広範な知見をアップデートできるだけでなく、 世界中にいる 「同志」 と出会い、 繋がることができる最高の舞台です。 費用面の補助に関しては、 日本呼吸器学会の海外学会参加助成制度などを活用する道もあります。

困難を乗り越えてでも、 この学会には参加する価値があります。 世界の広さを知り、 自分の現在地を確認し、 そして新たな目標を見つける。 この経験が、 あなたの日々の臨床や研究への、 燃えるようなモチベーションにつながることを約束します。

次の記事では、 今回のATS 2025で特に注目された演題について、 具体的に報告します。

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私のホームページ 「Kei Nakashima | Medicine&Insights」 では、 呼吸器内科の重要論文、 臨床研究、 ライフハック、 医学教育などをテーマに、 日々記事を発信しています。 また、 下記は私が執筆・監修を担当した書籍です。 日常診療の一助として、 ぜひご活用ください!

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亀田総合病院 呼吸器内科の紹介

呼吸器内科 後期研修医・スタッフ募集

当科では教育および人材交流のために、 日本全国から後期研修医・スタッフ (呼吸器専門医取得後の医師) を募集しています。 ぜひ一度見学に来て下さい。

連絡先|主任部長 中島啓

✉️ kei.7.nakashima@gmail.com

X: https://twitter.com/keinakashima1

note: https://note.com/unique_fowl2375

亀田総合病院呼吸器内科 Instagram|https://www.instagram.com/kameda.pulmonary.m/

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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