海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Simon氏らは、 肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (MASLD) の患者を対象に、 低用量アスピリンの有効性を第Ⅱ相プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 低用量アスピリンは肝脂肪量を有意に減少させることが示された。 本研究はJAMA誌において発表された。
80例、 フェーズ2試験でのJAMA掲載です。 低用量アスピリンの6ヵ月連日投与が肝脂肪量を有意に減少させるとのことです。 出血合併症は気になるところですが、 Positive impactの方がはるかに強い研究結果です。
アスピリンは、 MASLDの重症度を低下させ、 末期肝疾患および肝細胞癌の発生率を低下させる可能性がある。 しかし、 MASLDに対するアスピリンの効果は不明である。
肝硬変のないMASLD患者 : 80例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
主要評価項目
投与6ヵ月時点のMagnetic Resonance Spectroscopy (MRS) に基づく肝脂肪量の変化
副次評価項目
群間差 -10.2%㌽
(95%CI -27.7~-2.6%㌽、 p=0.009)
群間差 -38.8%㌽
(95%CI -66.7~-10.8%㌽、 p=0.007)
群間差 30. 0%㌽
(95%CI 11.6-48.4%㌽、 p=0.006)
低用量アスピリン群 : -2.7%
プラセボ群 : 0.9%
群間差 -3.7%㌽
(95%CI -6.1~-1.2%㌽、 p=0.004)
低用量アスピリン群 : -11.7%
プラセボ群 : 15.7%
群間差 -27.3%㌽
(95%CI -45.2~-9.4%㌽、 p=0.003)
両群ともに32.5% (13例) において有害事象が確認された。
頻度の高い有害事象
上気道感染症
関節痛
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。