【Ann Intern Med】原発性アルドステロン症診断、 分子イメージングはAVSに非劣性
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【Ann Intern Med】原発性アルドステロン症診断、 分子イメージングはAVSに非劣性

【Ann Intern Med】原発性アルドステロン症診断、 分子イメージングはAVSに非劣性
Goodchildらは、 原発性アルドステロン症患者を対象に、 片側副腎摘出術の転帰予測に用いる分子イメージング (¹¹C-metomidate [MTO]-PET/CT) の診断精度の副腎静脈サンプリング に対する優越性あるいは非劣性を多施設共同コホート研究で検討した。 その結果、 分子イメージングのAVSに対する非劣性が検証され、 原発性アルドステロン症診断の正確かつ非侵襲的な代替手法であることが明らかになった。 研究結果はAnn Intern Med誌に発表された。 

📘原著論文

Molecular Imaging Versus Adrenal Vein Sampling for the Detection of Surgically Curable Primary Aldosteronism : A Prospective Within-Patient Trial. Ann Intern Med. 2025 Mar 4. Online ahead of print. PMID: 40030172.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

非劣性マージンを-17%に設定していたので、 すべてクリアされています。

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副腎静脈評価 (LR)

原発性アルドステロン症の局在判定指標

片側アルドステロン産生腺腫にEUS-RFAが有望

Lancet. 2025 Feb 22;405(10479):637-647.

背景

手術の指標となる侵襲的なAVSの施行範囲は限定的

原発性アルドステロン症 (PA) は高血圧の原因であり、 片側性のアルドステロン産生腺腫 (APA) が原因の場合は手術で治癒する可能性がある。 手術の指標として副腎静脈サンプリング (AVS) が必要だが、 侵襲的かつ技術的に困難であり、 実施できる範囲は限定的である。

そこで、 片側副腎摘出術の転帰予測において、 デキサメタゾン投与後の¹¹C-MTO-PET/CTの診断精度のAVSに対する優越性あるいは非劣性、 および半減期の長い類似体である¹⁸F-CETO-PET/CTとの互換性を前向きの多施設共同コホート研究で検討した。

研究デザイン

¹¹C-MTO-PET/CT、 ¹⁸F-CETO-PET/CTによる片側副腎摘出術の転帰予測を評価

片側性PAの診断を受け手術を希望する患者のうち、 169例に¹¹C-MTO-PET/CTおよびAVS、 31例に¹⁸F-CETO-PET/CTを実施した。

術後6ヵ月時および24ヵ月時の生化学的および臨床的成功の国際的コンセンサス基準により¹¹C-MTO-PET/CTおよび¹⁸F-CETO-PET/CTによる片側副腎摘出術の転帰予測を、 κ統計量およびBland-Altman解析で比較した。

結果

¹¹C-MTO-PET/CTはAVSに対し非劣性

対象患者169例のうち、 ¹¹C-MTO-PET/CTが52.7%、 AVSが46.2%、 この両方で25.4%が片側性PAと予測された。 また、 59.1%が集学的チームにより副腎摘出術に割り付けられた。

主要転帰のデータは156/169例で入手可能であった。 転帰の予測は、 完全または部分的な生化学的成功 (¹¹C-MTO-PET/CT 71.3% [95%CI 61.0%-80.1%]、 AVS 62.8% [95%CI 52.2%-72.6%]) で最も正確で、 完全な臨床的成功 (治療終了後の家庭血圧<135/85mmHg) で最も正確性を欠いていた。

群間差の95%CIは0をまたいでいたため¹¹C-MTO-PET/CTの優越性は除外されたが、 事前に規定された非劣性マージン-17%は超えず、 ¹¹C-MTO-PET/CTのAVSに対する非劣性が検証された。

¹⁸F-CETO-PET/CTと¹¹C-MTO-PET/CTで予測した転帰は、 29/31例で一致していた (κ=0.85 [95%CI 0.68-1.00])。

結論

分子イメージングはAVSの代替手法

著者らは 「分子イメージングは、 AVSに代わる正確かつ非侵襲的な代替手段である」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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