【EPCORE DLBCL-1】自家移植非適応のR/R LBCL、 エプコリタマブ単剤でPFS改善
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HOKUTO編集部

10日前

【EPCORE DLBCL-1】自家移植非適応のR/R LBCL、 エプコリタマブ単剤でPFS改善

【EPCORE DLBCL-1】自家移植非適応のR/R LBCL、 エプコリタマブ単剤でPFS改善
自家移植非適応の再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫 (R/R LBCL) 患者を対象に、 エプコリタマブ皮下注単剤の有効性・安全性について、 標準的な化学免疫療法 (CIT) を対照に比較した第Ⅲ相無作為化比較試験EPCORE DLBCL-1の主要解析結果から、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 英・Nottingham University Hospitals NHS TrustのChristopher P. Fox氏が発表した。 

背景

ASCT非適応・R/R LBCLで求められる新たな治療選択肢

新規診断LBCLでは、 最大40%が1次治療後に再発・難治性 (R/R) へ移行する。 特に自家造血幹細胞移植 (ASCT) 非適応例やASCT後再発例では予後が不良であり、 R-GemOx(リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン)やBR(ベンダムスチン+リツキシマブ)などの標準的な化学免疫療法 (CIT) では、 奏効の持続性に課題が残る。

エプコリタマブは、 CD3とCD20を標的とする皮下投与型の二重特異性抗体であり、 R/R DLBCLの2次治療以降で既に承認されている。

EPCORE DLBCL-1は、 HDT-ASCT非適応またはASCT後再発のR/R LBCL患者を対象に、 エプコリタマブ単剤療法をCITと比較した初の大規模第Ⅲ相無作為化比較試験である。

試験の概要

エプコリタマブ単剤とCITを1 : 1で比較

同試験の対象は、 CD20陽性R/R LBCL患者 (de novo DLBCLおよびFL形質転換例を含む) のうち、 高用量化学療法併用自家造血幹細胞移植 (HDT-ASCT) 非適応またはHDT-ASCT後再発、 ECOG PS 0~2、 1ライン以上の前治療歴を有するなどの適格基準を満たした483例であった。 患者は以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • エプコリタマブ群 (241例) 
エプコリタマブ皮下注48mgを28日サイクルで投与 (C1~3は週1回、 C4~9は2週毎、 C10以降は4週毎)
  • CIT群 (242例)
R-GemOx (174例、 28日サイクル、 C1~4は2週毎) またはBR (68例、 21日サイクル、 C1~6は3週毎)

主要評価項目は、 独立審査委員会 (IRC) 評価によるPFS (Lugano規準) および全生存期間 (OS) であった。 データカットオフは2025年10月13日で、 追跡期間中央値はエプコリタマブ群43.2ヵ月、 CIT群42.3ヵ月であった。 なお、 本試験はCOVID-19パンデミック期間中に実施され、 67%の患者が感染力の高いオミクロン変異株の流行ピーク期以降に登録された。

試験の結果

高齢・不応例を含む患者集団が登録

患者背景では、 年齢中央値はエプコリタマブ群72.0歳、 CIT群71.0歳で、 75歳以上はそれぞれ34%、 32%であった。 ECOG PS 2は両群とも14%、 Ann Arbor病期III/IVは77%、 78%を占めた。 病型はde novo DLBCLが81%、 79%、 形質転換DLBCLが17%、 18%で、 中央判定によるダブルヒット/トリプルヒット例は19%、 10%であった。

主な治療歴はエプコリタマブ群、 CIT群でそれぞれ以下の通りであった。

  • 前治療ライン数中央値 : 両群とも2ライン
  • 前治療1ライン : 28%、 26%
  • 3ライン以上の前治療歴 : 33%、 35%
  • ASCT歴 : 15%、 14%
  • CAR-T療法歴 : 11%、 11%
  • 原発性不応例 : 52%、 55%
  • 直近治療への不応例 : 67%、 71%

進行・死亡リスクを26%低減

主要評価項目であるPFS中央値は、 エプコリタマブ群で3.5ヵ月 (95%CI 2.9–4.6ヵ月)であり、 CIT群の3.0ヵ月 (2.9–4.1ヵ月) に比べ、 病勢進行・死亡リスクを26%低減した (HR 0.74 [95%CI 0.60–0.92]、 p=0.0059)。

エプコリタマブ群、 CIT群でそれぞれ、 12ヵ月PFS率は35%、 18%、 24ヵ月では30%、 13%、 36ヵ月では27%、 8%と経時的に差が拡大した。

CR率38%、 DOCR中央値は未到達

完全奏効率 (CR率) はエプコリタマブ群38%、 CIT群26% (名目p=0.0032)。 完全奏効持続期間 (DOCR) の中央値はエプコリタマブ群で未到達 (95%CI 32.9ヵ月-NR)、 CIT群で10.8ヵ月 (同5.6-20.6ヵ月) で、 24ヵ月DOCR率は68% vs 30%と大幅な差が示された。

次治療開始までの期間も有意に延長

次治療開始までの期間 (TTNT) の中央値は、 エプコリタマブ群で6.8ヵ月 (95%CI 4.5-13.3ヵ月)であり、 CIT群の4.3ヵ月 (同3.7-5.2ヵ月) に比べ、 有意に延長した (HR 0.62、 95%CI 0.50-0.78、 p<0.0001)。

OSは有意差なし、 交絡調整後は良好な傾向

OS中央値は、 エプコリタマブ群11.3ヵ月 (95%CI 7.8-15.7ヵ月)、 CIT群10.3ヵ月 (同9.0-12.5ヵ月) で、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.96、 95%CI 0.77-1.20、 p=0.7265)。

一方、 COVID-19関連死亡やCIT群での有効な後治療 (二重特異性抗体、 CAR-T療法、 SCT) の使用がOS解析に影響した可能性が示された。 これらを調整した解析では、 OS中央値はエプコリタマブ群16.7ヵ月、 CIT群9.5ヵ月であった (HR 0.76、 95%CI 0.59-0.99)。

Grade 3-4 TEAEは同程度

平均治療期間はエプコリタマブ群11.2ヵ月、 CIT群2.1ヵ月であった。

Grade 3-4 TEAEはエプコリタマブ群で76%、 CIT群で79%と同程度であった。 一方、 曝露調整済みイベント率 (EAER) は20.0、 85.7で、 CIT群で高かった。 死亡に至るTEAEは17%、 6%で、 そのうちCOVID-19関連は9%、 3%であった。

サイトカイン放出症候群 (CRS) はエプコリタマブ群の124例 (53%) に認められたが、 大半はGrade 1-2であった。 また免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) はエプコリタマブ群の9例に認められ、 Grade 1-2が7例、 Grade 3-4が2例であった。

結論

R/R LBCL最大規模の第Ⅲ相でPFS改善を証明

これらの結果より、 Fox氏は 「EPCORE DLBCL-1は、 R/R LBCLを対象とした最大規模の第Ⅲ相試験であり、 CD3×CD20二重特異性抗体単剤療法として初めて、 PFSの有意な改善を示した。 OSに有意差は認められなかったが、 COVID-19関連死亡やCIT群での有効な後治療の使用が影響した可能性がある」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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