海外ジャーナルクラブ
1年前
Kostらは、 乳癌または頭頸部癌患者を対象に、 黄色ブドウ球菌 (SA) の鼻腔内コロニー形成が急性放射線皮膚炎 (ARD) の重症度とどのように関連性するかを前向きコホート研究で検討。 その結果、 ベースライン時点の鼻腔内SAコロニー形成は、 乳癌または頭頸部癌患者におけるグレード2以上のARDの発症と関連していた。 本研究はJAMA Oncolにおいて発表された。
非常にシンプルでConclusionまでが合計で3ページしかありません。 短編のものがなんでも流行っている時代ですので、 研究も今後3ページくらいのシンプルな形のものが好まれるかもしれません。 グレード2と3を合算していますが、 それぞれで鼻腔内SAコロニー形成の有病率が気になります。
ARDの病態は完全には解明されていない。 炎症性皮膚細菌が放射線治療後の皮膚炎症に寄与している可能性がある。
18歳以上の乳癌または頭頸部癌患者、 治癒を目指した分割放射線療法 (≧15分割) を計画している患者:76例
放射線治療前のSAの鼻腔内コロニー形成状況
CTCAE v4.03を用いたARDのグレード
76人の患者全員がARDを発症した。
ベースラインの鼻腔内SAコロニー形成の有病率は、 グレード1のARDを発症した患者と比較して、 グレード2以上のARDを発症した患者で高かった。
ベースラインの鼻腔内SAコロニー形成は、 乳癌または頭頸部癌の患者におけるグレード2以上のARDの発症と関連していた。 この結果は、 SAコロニー形成がARDの病態に関与している可能性を示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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