【海外論文】主膵管拡張を有するIPMN、膵臓癌の高い有病率と関係
著者

海外ジャーナルクラブ

2年前

【海外論文】主膵管拡張を有するIPMN、膵臓癌の高い有病率と関係

【海外論文】主膵管拡張を有するIPMN、膵臓癌の高い有病率と関係
Hamadaらは、 膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN) 患者2,829名を対象に、 短期および長期の膵臓癌の発生リスクを検討。 その結果、 5mm以上の主膵管拡張を有するIPMNは、 主膵管拡張を有しないIPMNと比較して、 膵臓癌の高い有病率および発生率と関連していた。 本研究は、 Clin Gastroenterol Hepatol誌において発表された。

📘原著論文

Clinical Outcomes of Intraductal Papillary Mucinous Neoplasms With Dilatation of the Main Pancreatic Duct.Clin Gastroenterol Hepatol. 2023 Feb 12;S1542-3565(23)00099-X.PMID: 36787835

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

単施設研究というのが確かに最大のlimitationと言えると思いますが、 逆にこれだけの規模の研究を単施設で行える強いimpactととも言えると思います。

🔢関連コンテンツ

膵癌のTNM臨床病期分類

膵癌の病期分類 (UICC-8版)

背景

主膵管の拡張は、 IPMNに対する外科的適応となっている。 しかし主膵管拡張を伴ったIPMNの長期転帰を検討した研究はほとんどない。

研究デザイン

対象

主膵管≧5mmの患者282名を含むIPMN患者2,829名

解析方法

競合リスク比例ハザードモデルを用いて、 潜在的交絡因子を調整した上で、 膵臓癌の発生率に関する部分分布ハザード比 (SHR) を推定。

研究結果

短期転帰

主膵管拡張を伴う患者282名の短期転帰の分析では、 26% (72名) が外科的または非外科的な精査に基づいて膵臓癌と診断された。

長期転帰

168名の長期経過観察中に、 14% (24名) が膵臓癌と診断された。

  • IPMN由来癌:18名
  • 管状腺癌併発:6名

2年および5年における膵臓癌診断の累積発生率

主膵管 5-9.9 mmの患者

  • 2年:8.1% (95%CI 4.3-13.5%)
  • 5年:10.0% (95%CI 5.5-15.9%)

主膵管 ≧ 10mmの患者

  • 2年:16.0% (95%CI 3.6-36.5%)
  • 5年:33.3% (95%CI 10.3-58.8%)

多変量SHR

  • 主膵管 5-9.9mm:2.78 (95%CI 1.57-4.90)
  • 主膵管 ≥10mm (<5 mm) :7.00 (95%CI 2.58-19.0)

結論

試験開始時点で主膵管拡張を有するIPMNは、 主膵管拡張を有しないIPMNと比較して、 膵臓癌の高い有病率および発生率と関連していた。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【海外論文】主膵管拡張を有するIPMN、膵臓癌の高い有病率と関係