海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Ahmedらは、 合併症のない症候性胆石症の患者を対象に、 腹腔鏡下胆嚢摘出術と保存的治療の臨床的効果および費用対効果を並行群間無作為化優越性試験C-GALLで比較検討した。 その結果、 保存的治療は腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して短期的には有効で、 費用対効果も優れていた。 本研究は、 BMJ誌において発表された。
本研究成果の臨床応用をどのようにするか少し悩みます。 本文からは、 腹腔鏡下胆嚢摘出術が一般的な治療として推奨されてきたが、 保存的管理も議論して良いのでは、 というような記載です。
18歳以上で合併症のない症候性胆石症の患者 : 434例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付け。
QOL
平均差 0.0(95%CI -1.7-1.7)、p=1.00
1例当たりの平均費用は、腹腔鏡下胆嚢摘出術群の2,510ポンドに比し、 保存的治療群は1,477ポンドと安価であった。
平均差 -1,033ポンド (-1,334ドル、 -1,205ユーロ、95%CI -1,413~-632ポンド)
両群間に差はなかった。
平均差 -0.019(95%CI -0.06-0.02)
合併症のない症候性胆石症の成人患者において、 腹腔鏡下胆嚢摘出術は保存的治療と比較し、 短期間 (≦18ヵ月) においては有効性は示されなかった。 保存的治療は手術の代替手段として考慮されるべきであり、 特に短期間の治療においては費用対効果が高い可能性がある。 両群とも、 18ヵ月以降も費用、 合併症、 有益性は発生し続けるため、 今後は、 有効性と生涯の費用対効果を確立し、 通常治療として手術を行うべき患者群を特定するために、 より長期の追跡に焦点を当てた研究が求められる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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