海外ジャーナルクラブ
16日前
Bluherらは、 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA) の小児患者を対象に、 血清ビタミンD値と無呼吸低呼吸指数 (AHI) との関連を横断研究で検討した。 その結果、 ビタミンD欠乏がAHIの重症度の増加と有意に関連することが示された。 本研究はJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌に掲載された。
ビタミンD補充を検討する研究につながる観察研究結果です。
成人OSAとビタミンD欠乏の関連を示す先行研究は存在するが、 小児ではその関連は十分に明らかになっていない。 そこで本研究では、 小児のAHIの重症度と血清ビタミンD値との関連を明らかにすることを目的とした。
2017~2022年に小児耳鼻咽喉科の3次医療施設を受診し、 アデノイド切除および口蓋扁桃摘出術を受けた、 2~16歳の重症OSA (≧AHI20) 患者72例が対象とされた、 なお、 神経筋疾患、 顔面の先天異常、 OSA治療歴のある患者は除外した。
ベースライン時に睡眠ポリグラフ (PSG) 検査を実施した。 また、 空腹時の採血で血清25-ヒドロキシビタミンDの測定を行い、 20ng/mL未満をビタミンD欠乏症と判定した。
さらに、 ベースライン時に年齢、 性別、 人種、 肥満度、 喘息の既往に関する情報を収集し、 季節によるビタミンD値の変動を考慮した分析を行った。
主要評価項目は、 血清25-ヒドロキシビタミンD値とAHIの相関関係に設定された。
単変量解析の結果、 ビタミンD欠乏症は以下と有意に関連していた。
多変量解析においても、 ビタミンD欠乏症とAHIの関連が示された。 また、 血清25-ヒドロキシビタミンD値を連続変数として分析した結果、 1.0単位減少するごとにAHIは0.7 (95%CI 0.04-1.40) 増加していた。
著者らは、 「重症OSAのためにアデノイド切除および口蓋扁桃摘出術を受けた小児では、 ビタミンD欠乏が一般的であり、 AHIの重症度の増加と有意に関連していることが示された。 本研究は、 小児のOSA治療におけるビタミンD補充の潜在的効果を示唆しており、 さらなる研究が求められる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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