【NEJM】多発性骨髄腫、 VRd療法へのイサツキシマブ併用が奏効
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15日前

【NEJM】多発性骨髄腫、 VRd療法へのイサツキシマブ併用が奏効

【NEJM】多発性骨髄腫、 VRd療法へのイサツキシマブ併用が奏効
Faconらは、 移植非適応の多発性骨髄腫患者を対象に、 VRd療法 (ボルテゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン) に対する抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブの併用効果について国際共同非盲検第Ⅲ相試験IMROZで検討した。 その結果、 新規に診断された移植非適応の多発性骨髄腫患者に対する1次治療として、 イサツキシマブ+VRd療法はVRd療法単独よりも有効であることが示された。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。 

📘原著論文

Isatuximab, Bortezomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Multiple Myeloma. N Engl J Med. 2024 Oct 31;391(17):1597-1609. PMID: 38832972.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

「研究名は何よりも重要な意味を持つ」 と言われていますが、 本研究の"IMROZ"はペルシャ語で"Today"という意味のようです。

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背景

イサツキシマブ併用VRdの有効性は不明

VRd療法は多発性骨髄腫の標準的な1次治療として用いられている。 しかし、 VRd療法にイサツキシマブを追加することにより、 移植非適応な患者の病勢進行または死亡のリスクが減少するかは不明であった。

研究デザイン

VRd単独群とISA併用群を比較

新規に診断された18~80歳の移植非適応の多発性骨髄腫患者446例が、 以下の群に3 : 2で割り付けられた。

  • イサツキシマブ+VRd療法群 (ISA+VRd群)
  • VRd療法単独群 (VRd群)

PFSやCR、 MRD陰性の達成割合を評価

主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 重要な副次評価項目は完全奏効 (CR) 以上の割合、 CRかつ微小残存病変 (MRD) 陰性の割合とされた。

結果

PFSを含めた有効性はISA併用群で優れる

60ヵ月時PFSの推定値

ISA+VRd群で63.2%、 VRd群で45.2%であった (病勢進行または死亡のHR 0.60、 98.5%CI 0.41-0.88、 p<0.001)。

CR以上を達成した患者の割合

ISA+VRd群は74.7%で、 VRd群の64.1%に比べ有意に高かった (p=0.01)。

CRとMRD陰性が得られた患者の割合

ISA+VRd群は55.5%で、 VRd群の40.9%に比べ有意に高かった (p=0.003)。

有害事象の発現率は両群で同程度

新たな安全性シグナルは確認されず、 重篤な有害事象、 治療中止に至る有害事象の発現率は両群で同程度であった。

結論

イサツキシマブ+VRd療法はVRd療法単独よりも有効

著者らは、 「イサツキシマブ+VRd療法は、 新規に診断された移植非適応の多発性骨髄腫患者に対する1次治療として、 VRd療法単独よりも有効であることが示された」 と報告している。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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