海外ジャーナルクラブ
8日前

Turnerらは、 1次治療でアロマターゼ阻害薬とCDK4/6阻害薬の併用治療を受けるホルモン受容体陽性HER2陰性の進行乳癌において、 ctDNA上にESR1変異が出現した患者での、 経口選択的エストロゲン受容体分解薬カミゼストラントへの切替 (CDK4/6阻害薬は継続) の有用性を、 国際共同第Ⅲ相試験 (SERENA-6) の延長解析で検討した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値はカミゼストラント切替群で16.8ヵ月と、 アロマターゼ阻害薬継続群の9.2ヵ月に比べ延長し、 二次無増悪生存期間 (PFS2) も有意に改善した。 なお、 両群で試験薬に関連する可能性のある死亡が報告された。 試験結果はLancet Oncol誌に発表された。
PFSの起点をESR1変異検出時としたため、 従来試験との比較には注意が必要ですが、 国際ガイドラインに沿った手法です。
💊Camizestrant+CDK4/6 inhibitor
【SERENA-6】ESR1変異出現時のカミゼストラント切替、 PFS2最終解析で有意に改善
SERENA-6は、 前向きctDNAモニタリングにより臨床的増悪前のESR1変異出現を検出し、 治療変更につなげた初の国際共同登録試験である。 ESR1変異出現時にアロマターゼ阻害薬からカミゼストラントへ切り替え、 CDK4/6阻害薬を継続する戦略は、 中間解析にて無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善していた。
本稿では、 ESR1変異サーベイランスの包括的結果、 更新PFS、 より長期の追跡による二次無増悪生存期間 (PFS2) の最終解析、 およびctDNA動態の探索的解析を報告する。
本試験は23ヵ国で実施された第Ⅲ相の二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験である。 対象は、 エストロゲン受容体陽性HER2陰性の局所進行または転移を有する乳癌に対して1次治療としてアロマターゼ阻害薬とCDK4/6阻害薬の併用を6ヵ月以上受けている、 閉経状態を問わない患者とし、 ECOG PS 0または1を要件とした。
患者は2-3ヵ月ごとにctDNA中のESR1変異を検査され、 ESR1変異が検出され画像上増悪がない患者を以下の2群に無作為に割り付けた。
主要評価項目は治験担当医判定のRECIST 1.1に基づくPFS、 主要な副次評価項目は治験担当医評価による次治療後の無増悪生存期間 (PFS2) とした。 有効性解析は無作為化された全患者 (intention to treat) を対象とした。
追跡期間中央値23.5ヵ月においてPFSは、 カミゼストラント切替群でアロマターゼ阻害薬継続群と比べ、 有意に延長した。 この結果は、 既報の中間解析と一致していた。
PFS中央値
HR 0.45 (95%CI 0.34-0.59、 名目上のp値<0.0001)
PFS2も、 カミゼストラント切替群で有意に延長した。
PFS2中央値
HR 0.63 (95%CI 0.46-0.86、 p=0.0037)
最も多かったグレード3/4の有害事象は好中球減少症と好中球数減少であった。 また、 カミゼストラント切替群ではカミゼストラントと関連する可能性のある死亡が1例あった。
グレード3/4 好中球減少症
グレード3/4 好中球数減少
重篤な有害事象
試験薬関連の可能性がある死亡
著者らは、 「ESR1変異出現時のカミゼストラント+CDK4/6阻害薬への切り替えはPFSに持続的な有益性をもたらし、 PFS2の統計学的有意な改善につながった。 この結果は、 ESR1変異の検出時にCDK4/6阻害薬を継続しつつ内分泌療法をアロマターゼ阻害薬からカミゼストラントへ切り替えることを支持している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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