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64日前

【Gut】軽症・中等症の潰瘍性大腸炎の治療にFMD-AIDが有効

Kediaらは, 軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎 (UC) 患者を対象に, マルチドナー糞便微生物叢移植+抗炎症食 (FMD-AID) の効果を検討する無作為化比較試験を実施. その結果, FMD-AIDは, 軽症〜中等症のUCに効果的に寛解をもたらし, その効果は抗炎症食により1年以上維持された. 本研究は, Gut誌において発表された. 

📘原著論文

Kedia S, et al, Faecal microbiota transplantation with anti-inflammatory diet (FMT-AID) followed by anti-inflammatory diet alone is effective in inducing and maintaining remission over 1 year in mild to moderate ulcerative colitis: a randomised controlled trial. Gut. 2022 Aug 16;gutjnl-2022-327811. PMID: 35973787

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

糞便移植の効果を検討した研究です. 副作用の部分は本文から読み取る必要がありそうですね. 方法は非常に原始的で効果もほぼ確実, なので副作用や懸念 (非科学的な心配を含めた) と言われる部分までをしっかりと検討することで一般化が進んでいくと思います.

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背景

UCの治療法として, マイクロバイオームと食事による治療が検討されている.

研究デザイン

  • SCCAI 3-9, UCEIS>1の軽症〜中等症UC患者を, 以下の2群に1対1で割り付けた.
  • FMT-AID群:35名
FMTを0~6週目に週7回大腸内視鏡で注入+抗炎症食
  • 最適化標準治療 (SMT) :31名
  • ベースラインの薬物療法はSMT群に最適化された.
  • 両群とも8週目に臨床的奏効 (SCCAIが3以上低下) が認められた者は, 48週目までベースライン薬物療法 (FMT-AID群では抗炎症食を含む) で追跡した.
  • 主要評価項目:8週時点の臨床的奏効と完全寛解 (臨床的:SCCAI<2, 内視鏡的:UCEIS<1) , 48週時点の完全寛解とステロイドフリーの臨床的寛解.

研究結果

  • FMT-AID群はSMT群よりも, 8週時点の臨床的奏効, 寛解, 完全寛解を誘発する点において優れていた.
  • 臨床的奏効
  • FMT-AID群:65.7%(35名中23名)
  • SMT群:35.5% (31名中11名)
P=0.01, OR 3.5, 95%CI 1.3-9.6
  • 寛解
  • FMT-AID群:60% (35名中21名)
  • SMT群:32. 3% (31名中10名)
  • 完全寛解
  • FMT-AID群:36.4% (33名中12名)
  • SMT群:8.4% (23名中2名)
  • 48週時点での完全寛解の維持については, 抗炎症食がSMTより優れていた.
25% vs. 0%, P=0.007

結論

抗炎症食を併用したマルチドナーFMTは, 軽症〜中等症のUCに効果的に完全寛解をもたらし, その効果は抗炎症食により1年以上維持された.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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