米国医師年収、 外科系圧勝。 その比、 3倍
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1ヶ月前

米国医師年収、 外科系圧勝。 その比、 3倍

米国医師年収、 外科系圧勝。 その比、 3倍
こんにちは、Dr.Genjohです。新シリーズ 「米国医療のリアル」 第2回では、 アメリカにおける 「勝ち組」 診療科がどこなのか、 その実態に迫っていきましょう。 

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外科系一強!小児科・プライマリケア科とは3倍近い大差

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米国医師年収、 外科系圧勝。 その比、 3倍
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【図1】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

アメリカといえば、 手術を受けた際の支払額が非常に高額であることで有名です。 そのためか、 専門分野別の報酬ランキングの上位は、 侵襲的処置を担う外科系診療科がほぼ独占しています【図1】¹⁾。

上位には、 日本でいう脳神経外科、 脊椎外科、 関節外科など、 「外科」 と名の付く診療科が。 その後に腫瘍放射線治療科や循環器内科などが続きます。 いずれも高度な専門技術や侵襲的手技を要する領域です。

一方、 低年収診療科ランキングには、 小児内分泌科、 小児リウマチ科などの小児専門診療科が集中しています。 罹患患者数が少ない影響でしょうか。 さらに、 総合内科、 内分泌科、 老年医学科、 アレルギー科といったプライマリケア寄りの診療科も低年収群に並びます。 専門的知識を要する一方で、 手技を伴わない診療はアメリカでは収入に結び付きにくいようです。

最も高収入である脳神経外科の平均年収は74万9,140ドル。 1ドル=160円換算では約1.2億円です。 一方、 最も低い小児内分泌科は23万426ドル、 日本円では約3,700万円です。

診療科間の収入差が比較的小さい日本とは、 対照的な給与体系といえるでしょう。 (最低の3,700万円でも高給ですって?ここは日本で、 向こうはアメリカですから……。 あと円安。 )

再評価が進む小児科・プライマリケア科

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【図2】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

では、 小児科やプライマリケア科は 「低年収診療科」 のままなのでしょうか。

実はそうとも言い切れません。 2024年の診療報酬上昇率ランキング【図2】を見ると、 小児科や予防医学科、 家庭医療科などのプライマリケア科が上位を占めています。

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【図3】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

続く【図3】は、 アメリカにおける専門分野別の医師平均年収の推移です。

前述のとおり、 外科医が圧倒的高給を得ており、 これに非外科系専門医、 救急医、 産婦人科医が続きます。 一方、 プライマリケア医の年収は一貫して最も低い水準にあります。

しかし、 その差はわずかながら縮小しつつあります。 2022年時点で、 外科医の平均年収はプライマリケア医の約2.0倍 (200.4%) でしたが、 2024年には約1.9倍 (187.3%) まで低下しました。 その差は、 緩やかに縮まりつつあるといえます。

最終的なポイントは需要と供給のバランス

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【図4】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

なぜ、 プライマリケア医の相対的な地位は高まりつつあるのでしょうか?

【図4】は、 アメリカで常勤・非常勤医師の人材紹介を支援するDoximity Talent Solutions社のデータです。 常勤医・非常勤医ともに、 求人件数ランキングの上位2診療科は内科と家庭医療科であり、 いずれもプライマリケアの中核を担う領域です。

もし外科医になれば、 プライマリケア医の3倍の報酬が得られるのであれば、 多くの医師がそちらを目指すでしょう。 結果として、 プライマリケア医は慢性的な人材不足に陥ります。

一方で、 アメリカの民間保険には、 保険料や自己負担額の安いHMOと、 高いPPOがあります。 HMOでは原則として最初から専門医を受診できず、 まずプライマリケア医を受診しなければなりません。 つまり、 プライマリケア医の需要は高いのに、 なり手が少ないのです。

供給に対して需要が増えれば、 価格は上がります。 プライマリケア医の待遇改善は、 この需給バランスの結果と考えるのが自然でしょう。 少なくとも、 診療所数が増加を続けている現在の日本では、 なかなか見られない構図です。

どうする日本の診療科

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写真はイメージです

「2026年の診療報酬改定解説記事」 でも述べた通り、 今年の改定では、 消化器外科・心臓血管外科・小児外科・循環器内科の4診療科への配慮が明確に打ち出されました( +3.09%の真実 ♯3にて解説 )。

特に外科系診療科については、 外科医療確保特別加算の設定により、 医師個人に直接的な金銭的インセンティブを与える段階にまで踏み込んでいます。 今後、 日本もアメリカのように侵襲的治療を担う診療科へ報酬が集中していくのか。 それとも、 診療科間の格差を抑えた現在の構造を維持していくのか。 その行方はまだ見えていません。

ただ一つ言えるのは、 医学生や初期・後期研修医の先生方にとって、 診療科選択はこれまで以上に重要になるだろうということです。 報酬体系の変化にも目を向けながら、 自らの将来像を見据えて進路を選択していただきたいと思います。

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「米国医療のリアル」 シリーズ

  1. 米国医師、 年収8000万!でも、 実質収入は低下?

「2026年度 報酬改定」 シリーズ

  1. 診療報酬改定+3.09%!そこに潜む落とし穴
  2. これからの病院のありかた——急性期病院と地域包括病院
  3. 勤務医の 「椅子取りゲーム」 加速…人気の無い箇所ほど報われる
  4. 進む働き方改革、 最終目標は医療全体の人員削減
  5. 激変する外来診療、 対応しなければ食べていけない
  6. 「オイシイ」 領域に蓋…出る杭は打たれる

「医師の黄昏」 シリーズ

  1. 医師は悪者?財務省の思惑
  2. 「医療費いじめ」 に正義はあるのか
  3. 薬価改定、 僕には関係ありません。 本当ですか?
  4. 目指すのは 「医者いらず」 ?政府の狙いを読み解く
  5. 同じ治療の報酬、 僕は1万円。 君は9000円。
  6. 「歪み」 が許容された時代の終焉。 出る杭は打たれる
  7. この診療所、 あの病院、 みんな仲良く生き延びられる…?
  8. 不公平な医療費は許さない!都道府県に課される責任
  9. 高額療養費クライシス!消滅の未来も?
  10. 【前編】広がる世代間格差、 その実情は?
  11. 【後編】広がる世代間格差、 その実情は?
  12. 医師の未来は常闇?暁天?

「続・医師の黄昏」 シリーズ

  1. 日本経済の停滞の原因は医療・介護にあるのか
  2. 診療所は本当に儲けすぎなのか
  3. 医師も戦々恐々?政府による金融所得の把握がいよいよ本格化

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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