海外ジャーナルクラブ
30日前

Andersonらは、 米国の動脈硬化性心血管疾患 (ASCVD) の既往がない30~79歳の成人を対象に、 米国心臓協会 (AHA) /米国心臓病学会 (ACC) の脂質異常症管理ガイドライン2026年版が1次予防を目的としたスタチンの適応範囲に及ぼす影響について横断研究で検討した。 その結果、 同ガイドラインにより2,150万人がスタチンの新規適応となり、 新規適応例を含めると8,750万人 (56.6%) がスタチンの適応となると推定された。 研究結果はJAMA誌に発表された。
NHANESの4,366人のデータから、 米国成人1億5,450万人へ外挿した推計であり、 2017~2023年のNHANESデータに依存しています。
📖【JACC】脂質異常症の新指針で治療中患者の79%がLDL-C目標未達
AHA/ACCおよび関連学会が策定した脂質異常症管理ガイドライン2026年版では、 ASCVDリスクの推算方法と1次予防を目的としたスタチンの適応となる集団について新たな推奨が示された。本研究は、 この2026年版のガイドラインが1次予防目的のスタチン療法に及ぼす集団レベルの影響を評価する目的で実施された。
米国民健康栄養調査 (NHANES) の2017~2023年調査に参加した、 ASCVDの既往がなく妊娠していない30~79歳の成人を対象とする、 全米を代表するサンプルを用いた横断研究として実施された。 データ解析は2026年3月~5月に行われた。
主要評価項目は、 脂質異常症管理ガイドラインの2026年版と2018年版を適用した場合の1次予防目的のスタチン療法の適応者の変化とした*。
重み付けした解析対象はNHANES参加者4,366例で、 米国の成人1億5,450万人を代表する集団であった (重み付け平均年齢51歳、 女性52.0%)。 このうち未治療のLDLコレステロール (LDL-C) 70mg/dL未満の割合は5.5% (95%CI 4.7-6.6%)、 現在スタチンを使用中と回答した割合は17.8% (95%CI 16.3-19.5%) であった。
また、 LDL-C 190mg/dL 以上、 糖尿病、 慢性腎臓病 (CKD) があり、 ASCVDリスク推算によらずスタチン適応の基準を満たした例の割合は8.6% (95%CI 7.6-9.8%) だった。
残る68.0% (95%CI 65.9-70.0%) は、 ASCVDリスク計算式を用いてスタチンの適否の判断を要する基準に該当した。
2026年版ガイドラインに基づくスタチン適応者は総計8,750万人 (56.6%, 95%CI 54.2-58.9%) と推定され、 このうち2,150万人 (13.9%, 95%CI 12.5-15.5%) が新規適応となる集団だった。
1次予防目的のスタチン療法の適応となる割合は、 70~79歳で93%超、 60~69歳で85%であったのに対し、 30~39歳では11%だった。
新規適応者は従来からスタチンが推奨されていた集団と比べて若年かつ低リスクであり、 推定10年ASCVDリスクの平均値は新たにスタチン療法の適応となった者で3.1% (95%CI 2.7-3.5%)、 従来から適応であった者で6.1% (95%CI 5.8-6.4%) であった。
著者らは、 「2026年版の脂質異常症管理ガイドラインによって、 1次予防のスタチン療法が推奨される米国の対象集団が大幅に拡大した。 また、 この拡大には主として低リスク者での新規適応例の増加が影響していると考えられた」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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