海外ジャーナルクラブ
1年前
Leyらは、 小児潰瘍性大腸炎 (UC) の患者を対象に、 免疫抑制剤 (IS) と抗腫瘍壊死因子 (TNF) の導入がUCの長期転帰に及ぼす影響を後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 ISと抗TNFの使用が増えるとともに、 小児発症UC患者の大腸切除率が有意に低下した。 本研究はAm J Gastroenterol誌にて発表された。
大腸切除のリスクは低下したが、 その分内科的な管理が必要となり再燃による入院リスクは増加した、 ということでしょう。
1988~2011年に17歳以前にUCと診断された患者
3つの診断期間に分け、 薬物曝露と疾患の転帰を比較
5年後のISと抗TNFの使用率は経時的に増加した。
5年後の大腸切除のリスクは経時的に有意に減少し (P1:17%、 P2:19%、 P3:9%、 P=0.045, P-trend=0.027)、 抗TNF時代以前 (P1 + P2:18%) と抗TNF時代 (P3:9%) (P=0.013) 間で減少した。
5年後の疾患進展リスクは経時的に安定しており (P1:36%、 P2:32%、 P3:34%、 P=0.31、 P-trend=0.52)、 抗TNF時代以前 (P1 + P2:34%) と抗TNF時代 (P3:34%) の間でも安定していた (P=0.92)。
5年後の再燃による入院のリスクは経時的に有意に増加し (P1:16%、 P2:27%、 P3:42%、 P=0.0012、 P-trend=0.0006)、 抗TNF前時代 (P1 + P2:23%) と抗TNF時代 (P3:42%) の間でも増加した (P=0.0004)。
ISと抗TNFの使用が増えるとともに、 小児発症UCにおける大腸切除のリスクの低下が集団レベルで観察された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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