HOKUTO編集部
11ヶ月前

瀉血を要する真性多血症 (PV) を対象に、 ヘプシジン模倣薬rusfertideの上乗せの有効性および安全性を評価した国際第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験VERIFYの結果から、 臨床的奏効率 (瀉血を必要としない患者の割合)、 瀉血回数、 Hct<45%の維持、 および患者報告アウトカム (PRO) の有意な改善が示された。 米・Moffitt Cancer CenterのAndrew T. Kuykendall氏が発表した。
PVは造血幹細胞のJAK2遺伝子変異などによって引き起こされる骨髄増殖性腫瘍 (MPN)。 赤血球の過剰産生を特徴とし、 これに伴うヘマトクリット (Hct) 値上昇が血栓症のリスクとなる。
PVの治療目標はHct<45%を維持することであり、 標準治療は瀉血±細胞減少療法であるが、 頻回の瀉血は患者への負担が大きくQOLを低下させるため、 結果として持続的なHct<45%維持ができなくなるケースも多い。
Rusfertideはヘプシジン*の模倣薬で、 第Ⅱ相試験REVIVEでは、 同薬投与によりHct平均値<45%を達成した¹⁾。 そこで第Ⅲ相試験VERIFYでは、 瀉血を要するPV患者において、 標準治療へのrusfertideの上乗せによる有用性を、 プラセボ+標準治療を対照として比較評価した。 今回は2025年1月7日をデータカットオフとしたPart 1aの結果が報告された。
Part 1a (0-32週) において、 細胞減少療法の有無にかかわらず標準治療を受けており、 直近28週で3回以上または過去1年間で5回以上の瀉血を要したPV患者293例が、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 20-32週における臨床的奏効率 (瀉血適応がなく、 20-32週に瀉血が認められずPart 1aを完了した患者=瀉血を必要としない患者の割合と定義) であった。
主な副次評価項目には、 以下が設定された。
患者背景は両群間で同様であった。 7回以上の瀉血を要した患者割合は、 プラセボ群の4.8%に比べてrusfertide併用群では10.9%と高かった。
20-32週における臨床的奏効率は、 プラセボ群の32.9%と比べて、 rusfertide併用群では76.9%と有意に改善した (p<0.0001)。
またサブグループ解析において、 PVリスク度や併用療法の内容などによらずrusfertide併用群の優位性が一貫して認められた。
0-32週における瀉血回数の平均値 (標準偏差) は、 rusfertide併用群が0.5回 (1.2回) であり、 プラセボ群の1.8回 (1.5回) と比べて有意に改善した (p<0.0001)。
0-32週でHct<45%を維持した患者の割合はそれぞれ62.6%、 14.4%と、 瀉血回数と同様にrusfertide併用群で有意な改善を示した (p<0.0001)。
32週のPROMIS Fatigue SF-8a TスコアおよびMFSAF TSSにおいて、 rusfertide併用群はプラセボ群と比べて有意な改善を示した (いずれもp<0.03)。
Part 1aにおいて、 rusfertide併用群/プラセボ群で多く認められた治療中に発現した有害事象 (TEAE) は、 注射部位反応 (55.9%/32.9%)、 貧血 (15.9%/4.1%)、 倦怠感 (15.2%/15.8%) であった。
治療中止に至ったTEAEの発現率はそれぞれ5.5%、 2.7%であった。 重篤なTEAEは3.4%、 4.8%で発現したが、 いずれもrusfertideとの関連性は認められなかった。 また2週において、 rusfertide併用群の1例で急性心筋梗塞が観察された。 2次発癌は、 rusfertide併用群で1例、 プラセボ群で7例報告された。
Kuykendall氏は 「標準治療を受けているPV患者において、 rusfertide+標準治療はプラセボ+標準治療と比べて主要評価項目および4つの主な副次評価項目のすべてで有意な改善を示した。 安全性および忍容性プロファイルは既報と一致していた。 rusfertideはヘプシジン経路を標的としてHctを制御する初の薬剤薬であり、 VERIFY試験はPROの有意な改善が前向きで実証された初の研究となった。 同薬はPVにおける新たな治療選択肢となる可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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