【Neurology】睡眠障害は急性脳卒中のリスク上昇と関連
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【Neurology】睡眠障害は急性脳卒中のリスク上昇と関連

【Neurology】睡眠障害は急性脳卒中のリスク上昇と関連
Mc Carthyらは、 初発の急性脳卒中患者と年齢・性別でマッチングした対照者を対象に、 睡眠障害症状と急性脳卒中のリスクの関連性を国際症例対照研究INTERSTROKEで検討。 その結果、 睡眠障害症状は一般的で、 脳卒中リスクの段階的な上昇と関連していることがわかった。 本研究はNeurology誌において発表された。 

📘原著論文

Sleep Patterns and the Risk of Acute Stroke: Results from the INTERSTROKE International Case-Control Study. Neurology. 2023 Apr 5;10.1212/WNL.0000000000207249.PMID: 37019662

👨‍⚕️監修医師のコメント

長時間睡眠(9時間以上)は7時間と比べて急性脳卒中のオッズが2.7程度と極めて高いようです。 病院では個室でなければ21時消灯のところもありますが、 朝6時までとするとちょうど9時間ですので非健康的、 ということになってしまいます…。

🔢関連コンテンツ

ASPECTSスコア

急性期脳梗塞におけるCT定量化スコア

背景

睡眠障害の症状は一般的で、 脳卒中の重要な修正可能な危険因子である可能性がある。

研究デザイン

対象

初発の急性脳卒中を呈した患者と、 年齢 (±5歳) ・性別でマッチングした対照者。

介入

質問紙を基に前月の睡眠症状を評価し、 睡眠障害症状と急性脳卒中との関連を推定。

オッズ比(OR)と95%CIで表現
  • primary model:ベースライン時の年齢、 職業、 配偶者の有無、 修正Rankin Scaleを調整
  • subsequent models:潜在的媒介因子 (行動/疾患リスク因子) を調整

研究結果

急性脳卒中のOR増加に関連する因子

以下のものは、 急性脳卒中のオッズ増加と有意に関連していた。

  • 短時間睡眠 (5時間未満:OR 3.15、 95%CI 2.09-4.76)
  • 長時間睡眠 (9時間以上:OR 2.67、 95%CI 1.89-3.78)
  • 睡眠の質の低下 (OR 1.52、 95%CI 1.32-1.75)
  • 入眠困難 (OR 1.32、 95%CI 1.13-1.55)
  • 中途覚醒 (OR 1.33、 95%CI 1.15-1.53)
  • 予定外の仮眠 (OR 1.59、 95%CI 1.31-1.92)
  • 長時間の仮眠 (>1hr:OR 1.88、 95%CI 1.49-2.38)
  • いびき (OR 1.91、 95%CI 1.62-2.24)
  • snorting (OR 2.64、 95%CI 2.17-3.20)
  • 呼吸停止 (OR 2.87、 95%CI 2.28-2.60)

OSAスコアとの関連

睡眠時無呼吸 (OSA) スコア2-3 (OR 2.67、 95%CI 2.25-3.15) および5超 (OR 5.06、 95%CI 3.67-6.97) も、 急性脳卒中のリスクの有意な増加要因であり、 後者は段階的な関連が見られた。

より広範な調整における検討

より広範な調整後も、 大半の症状 (入眠・維持困難と予定外の昼寝は除く) で有意性が維持され、 脳卒中のサブタイプでも同様の所見が得られた。

結論

睡眠障害症状は一般的であり、 脳卒中のリスクの段階的な増加と関連することがわかった。 これらの症状は、 個人のリスク上昇のマーカーである可能性もあれば、 独立した危険因子である可能性もある。 脳卒中予防のための睡眠介入の有効性を明らかにするために、 今後の臨床試験が必要である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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