「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)
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HOKUTO通信

10ヶ月前

「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)

「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)

「医師の残業時間は激減している」 とする厚生労働省の調査は実態を反映しているのか――。HOKUTO編集部が会員医師にアンケートしたところ、 実際に残業時間が減ったとする医師は2割弱にとどまることが明らかとなった。

「あまり変わらない」 6割超

アンケートは10月23日〜29日、 HOKUTOアプリ上で実施し、 直近3年で残業時間が 「増えた」 「減った」 「変わらない」 の3択で尋ねた。 会員医師2986人から回答を得て、 結果は以下の通りだった。

あまり変わらない 64.2%
減った      19.6%
増えた      16.1%

厚労省の調査では 「減少傾向」

「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)

一方、 厚労省が10月に開いた専門部会では、 時間外や休日労働の残業時間が年960時間換算 (週当たりの労働時間60時間) 以上となる病院常勤医の割合が、 2022年度調査で21.2%となったことが示された。 前回の2019年調査 (37.8%) に比べ16.6㌽減少したという。

残業時間が年1920時間換算 (週当たりの労働時間80時間)以上となる割合も、 19年調査 (8.5%) より4.9㌽減少し、 3.6%となった。

「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)
厚生労働省の資料より転載

2024年4月に始まる医師の働き方改革では、 残業時間は原則、 罰則付きで年間960時間に制限される。 地域医療を維持するための医師や研修医、 高度な技能を習得するために長時間労働が必要となる医師などは特例で1860時間まで認められる。

長時間労働をする医師の割合が徐々に減っているデータについて、 検討会の委員から 「勤怠管理が意識的にされるようになり、 各診療科でも一定の工夫がなされた効果だ」 など評価する声が多かった。

実際の業務量は減っているのか / 実態との乖離がないか注意必要

一方、「労働時間短縮の意識が優先される中、 実際の業務量を具体的に減らせているのかを注視する必要がある 」 「勤務実態と乖離せず、 現場の医師がワークライフバランスを実感できることが重要だ 」 との意見や、 「カンファレンスが勤務時間に認められなくなった事例もあると聞いており、 残業時間の減少というデータが実態と乖離していないか注意が必要 」 「自己研鑽や宿日直という例外規定もある中、 勤務時間が適切に認められているかの確認も必要 」 などの指摘が出た。

診療科別で労働時間が多いのは 「脳神経外科 」

診療科別で残業の多い医師がいる割合が高いのは脳神経外科、 外科、 形成外科、 産婦人科、 救急科の順だった。

「残業減った」 医師 2割どまり (HOKUTO医師会員2986人アンケート)
厚生労働省の資料より転載

参考リンク

第18回医師の働き方改革の推進に関する検討会

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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