海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Miyawakiらは、 入院患者を対象に、 転帰と医師の性別との関連が患者の性別によって異なるかどうかを後ろ向き観察研究で検討。 その結果、 男性医師よりも女性医師のほうが死亡率と再入院率が低く、 また女性医師による治療で得られる利益は男性患者より女性患者で大きいことが示唆された。 本研究はAnn Intern Medにおいて発表された。
女性医師の治療を受けたほうが男性医師よりも死亡率や再入院率の低下と関連しているという結果です。 昨今、 この研究グループは同様の研究成果を報告し続けています。 その理由として重症度の過小評価、 コミュニケーション能力などが挙げられていますが、 アウトカムに直結するようなメカニズムの解明が期待されます。
臨床転帰に及ぼす医師の性別の影響は、 患者の性別によって異なるのかどうかについてはほとんど知られていない。 そこで、 女性入院患者と男性入院患者における、 医師の性別と転帰との関連の違いについて検討した。
2016~19年に内科疾患で入院し、 ホスピタリストに治療された65歳以上の患者
メディケアのデータを使用した後ろ向き観察研究
男女ともに、 女性医師の治療を受けている患者で死亡率は低かった。
女性患者の死亡率
女性医師では8.15%、 男性医師では8.38%
限界効果 : -0.24%㌽ (95%CI -0.41~-0.07%㌽)
男性患者の死亡率
女性医師では10.15%、 男性医師では10.23%
限界効果 : -0.08%㌽ (同 -0.29~-0.14%㌽)
女性医師の治療を受けることの利益は、 男性患者よりも女性患者で大きかった。
差分の差分 : -0.16%㌽ (同 -0.42~-0.10%㌽)
死亡率と同様のパターンであった。
著者らは 「この結果から、 女性医師による治療を受けた場合、 男性医師による場合と比べて死亡率および再入院率が低いこと、 また女性医師による治療の利益は男性患者に比べて女性患者で大きいことが示唆される」 と結論にて述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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