HOKUTO編集部
4日前

米国リウマチ学会 (ACR Convergence 2026) が、 11月6~11日に米国・オーランドで開催される。 会期中には3つのPlenary Sessionが組まれ、 臨床試験の速報枠であるLate-Breaking Abstractには口演とポスターの2枠が設けられた。 本稿では、 Plenary SessionとLate-Breaking Abstractに採択された演題のうち、 第III相試験を中心に、 既存薬の併用を検証した無作為化比較試験も含めて編集部が選んだ8演題を、 開幕に先立って予告する。
生物学的製剤 (bDMARD) で効果不十分または不耐の活動性関節リウマチ患者459例を対象に、 経口JAK1/TYK2阻害薬girocitinibをトファシチニブと比較した第III相二重盲検実薬対照試験である。 中国の施設で実施され、 主要評価項目は24週時のACR50達成率である。 選択性の異なるJAK阻害薬どうしの直接比較として、 有効性と安全性の詳細が注目される。
活動性の乾癬性関節炎患者553例を対象に、 IL-17A/IL-17F阻害薬ビメキズマブとIL-23阻害薬リサンキズマブを比較した第IIIb相二重盲検試験である。 生物学的製剤の未治療例と、 TNF阻害薬1剤で効果不十分または不耐の例を組み入れた。
主要評価項目である16週時のACR50達成率の結果は既に公表されており、 本発表では24週までの有効性と、 データカットオフ時点までの安全性が示される。 IL-17とIL-23という作用機序の異なる2剤の直接比較として注目される。
生物学的製剤未治療の活動性乾癬性関節炎患者552例を対象に、 IL-23受容体に結合する経口ペプチドicotrokinraの2用量をプラセボと比較した第III相試験である。 安全性の参照群としてウステキヌマブ群が置かれた。 主要評価項目は16週時のACR20達成率で、 本発表では24週までの結果が示される。 IL-23経路を標的とする経口薬として、 関節症状と皮膚症状に対する有効性および安全性が注目される。 ポスター演題である。
全身性の疾患活動性が中等度以上 (ESSDAI 5以上) のシェーグレン病患者648例を対象に、 CD40リガンドを阻害する融合蛋白dazodalibepの静注 (4週ごと・12週ごと) をプラセボと比較した第III相試験である。 主要評価項目は48週時のESSDAIの変化量である。 T細胞とB細胞の相互作用を断つ機序の薬剤として、 全身性疾患活動性に加え、 患者報告による乾燥症状への効果も注目される。 今回のACR 2026では、 抗BAFF受容体抗体ianalumabの第III相試験 (NEPTUNUS) の長期延長試験も報告される。
欧州8ヵ国30施設でシェーグレン病患者211例を無作為化し、 ヒドロキシクロロキン+レフルノミド、 ヒドロキシクロロキン+ミコフェノール酸 モフェチル、 プラセボの3群を比較したbasket型の無作為化比較試験である。 新たな複合評価項目STARの検証を目的とするNECESSITYプロジェクトの一環で、 自覚症状が強く全身活動性の低いコホートと、 全身活動性が中等度以上のコホートで構成される。 主要評価項目は24週時のSTAR反応率である。 既存薬の組み合わせとして、 有効性と安全性の詳細が注目される。 なお3剤とも、 国内ではシェーグレン病に対する適応はない。 ポスター演題である。
特発性炎症性筋疾患の患者175例を対象に、 胎児性Fc受容体 (FcRn) を阻害してIgGを低下させるエフガルチギモドの皮下注製剤を、 既存治療への上乗せでプラセボと比較した第II/III相試験の第III相部分である。 主要評価項目は52週時の総改善スコア (TIS) で、 有効性は主に免疫介在性壊死性ミオパチーと皮膚筋炎の統合集団で評価された。 エフガルチギモドは国内では全身型重症筋無力症などに承認されているが、 筋炎の適応はない。 開発元のオランダ・argenx社は2026年8月、 主要評価項目の達成を公表しており、 本発表で詳細が示される。
過去12ヵ月に2回以上の痛風発作があった痛風患者811例を対象に、 尿酸トランスポーター1 (URAT1) 阻害薬pozdeutinuradの2用量をプラセボと比較した国際第III相試験である。 尿酸降下療法を受けていない例 (血清尿酸値7mg/dL以上) と、 治療中で血清尿酸値が6mg/dLを超え、 10日を超える休薬に同意した例を組み入れた。 主要評価項目は6ヵ月時に血清尿酸値6mg/dL未満を達成した割合である。 国内ではURAT1を選択的に阻害するドチヌラドが承認されている。
BMI 27kg/m²以上で疼痛を伴う変形性膝関節症の患者445例を対象に、 GIP・GLP-1・グルカゴンの3受容体に作用するretatrutideの週1回投与 (9mg・12mg) をプラセボと比較した68週の第III相試験である。 主要評価項目は、 68週時のWOMAC疼痛スコアのベースラインからの変化量と、 体重の変化率の2つである。 米・Eli Lilly社は2025年12月、 両主要評価項目の達成を公表しており、 本発表で詳細が示される。 体重減少と膝の痛み・身体機能の改善との関係が注目される。
Plenary Sessionではこのほか、 ループス腎炎に対するオビヌツズマブの第III相試験の探索的解析や、 巨細胞性動脈炎とクローン性造血の関連を検討した研究が報告される。 Late-Breaking Abstractでは、 全身性エリテマトーデスに対する経口TLR7/8阻害薬afimetoranの第II相試験、 CAR-T細胞療法zola-celの第I相試験の長期データ (Breakfree-1)、 ANCA関連血管炎に対するイプタコパンの第II相試験も報告される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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