海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

済生会熊本病院呼吸器内科の坂田能彦氏らの研究グループは、 EGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺癌 (NSCLC) への1次治療として、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKI) オシメルチニブの長期有効性および安全性を、 実臨床データに基づく後ろ向きコホート研究OSI-FACT-OSで評価した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) は検証的な第Ⅲ相FLAURA試験における結果*と同等であり、 長期的な有効性が確認された一方で、 治療期間を通じて慎重かつ長期的な安全性モニタリングの必要性も強調される結果となった。 本研究はClin Lung Cancer誌において発表された。
有害事象 (AE) の発現率はこれまでに報告されていたよりも高く、 一部のAEは遅発性に発現していたことも報告されました。

EGFR変異陽性NSCLCに対する1次治療として、 これまで、 オシメルチニブに関する実臨床データの報告はあったものの、 観察期間が限られており、 OSおよび長期安全性に関するデータは報告されていなかった。
そこで本研究では、 実臨床データに基づき、 2018年8月~19年12月に1次治療としてオシメルチニブを投与されたEGFR変異陽性NSCLC患者538例を対象に、 観察期間を2023年7月まで延長して、 長期有効性および安全性を評価した。
観察期間中央値37ヵ月において、 PFS中央値は20.1ヵ月 (95%CI 17.1-22.1ヵ月)、 OS中央値は42.0ヵ月 (95%CI 37.7-48.4ヵ月) であった。
PFSイベントが72.9%、 OSイベントが53%で認められた。
AEの発現率は、 肺臓炎の全Gradeが16.7%、 Grade≥3が5.2%、 Grade5が0.9%、 Grade≥3の非血液毒性が12.8%、 Grade≥3の血液毒性が6.3%、 QT延長の全Gradeが4.6%、 Grade≥3が1.3%、 駆出率低下および心不全の全Gradeが2.6%、 Grade≥3が1.9%で認められた。 治療開始から1年以上経過後に発現した遅発性AEとして、 肺臓炎17例および心毒性7例が報告された。
著者らは 「本研究は、 日本の実臨床におけるオシメルチニブの長期有効性を支持するものであり、 PFSおよびOSは、 第Ⅲ相FLAURA試験の結果と同等であった。 一方で、 治療期間を通じて慎重かつ長期的な安全性モニタリングの必要性も強調される結果となった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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