海外ジャーナルクラブ
17日前

Houstonらは、 カナダにおいて、 赤血球輸血リスクが高い非心臓大手術を受ける患者を対象に、 術中のトラネキサム酸投与を病院単位の方針として導入することの有効性および安全性を多施設共同二重盲検クラスタープラセボ対照無作為化比較試験TRACTIONで評価した。 その結果、 術中トラネキサム酸投与の方針により初回入院中の赤血球輸血率は有意に減少し、 90日以内の静脈血栓塞栓症 (VTE) 診断においてもプラセボに対する非劣性が示された。 本研究はNEJM誌において発表された。
本研究はデータ連結が可能な施設に限定されていたことに加え、 多施設データ連結に伴う一部患者の照合不能例が存在し、 さらにVTEの評価において無症候性イベントを捕捉できなかった可能性がある点が限界です。
非心臓大手術を受ける患者に対して、 術中にトラネキサム酸を投与する病院単位の方針が、 赤血球輸血の必要性を安全に低減するかは不明であった。
そこで本研究では、 同方針の有効性および安全性を評価した。
カナダの病院10施設で実施された二重盲検クラスター無作為化比較試験TRACTIONが、 赤血球輸血リスクが高い非心臓大手術を受ける患者8,273例を対象に実施された。
各病院が4週間ごとに方針により以下の2群に無作為に割り付けられた。
共主要評価項目は、 初回入院中の赤血球輸血 (有効性評価項目)、 90日以内のVTE診断 (安全性評価項目) であった。 安全性評価項目については非劣性を検証し、 事前に規定した非劣性マージンは、 相対リスクの95%CI上限1.46と設定した。
解析には、 クラスタークロスオーバーデザインを考慮した混合効果モデルを用いた。
対象となった手術の60.5%を腫瘍外科手術が占めた。
初回入院中に赤血球輸血率は、 トラネキサム酸群が7.4%であり、 プラセボ群の9.8%と比べて有意に減少した (相対リスク [RR] 0.73 [95%CI 0.61-0.86]、 調整差 -2.7%㌽ [95%CI -4.2~-1.4%㌽])。
90日以内のVTE診断は、 両群いずれも2.1%であり、 トラネキサム酸群のプラセボ群に対する非劣性が示された (RR 0.96 [95%CI 0.65-1.38]、 調整差 -0.1%㌽ [95%CI -0.9-0.7%㌽])。
著者らは、 「非心臓大手術を受ける患者に対して、 術中にトラネキサム酸を投与する病院単位の方針は、 プラセボと比べて赤血球輸血の発生率を減少させ、 VTE診断においてプラセボに非劣性であった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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