海外ジャーナルクラブ
1年前
Zhouらは、 RET融合遺伝子陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 1次治療におけるRET阻害薬セルペルカチニブの有効性と安全性を第Ⅲ相無作為化試験で検討した。 その結果、 セルペルカチニブは、 ペムブロリズマブ併用または非併用のプラチナ製剤ベースの化学療法よりも無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
PFSの中央値でコントロール群に比べて2倍以上の差は、 統計学的だけではなく、 臨床的にも有意な差と言えます。 本研究のような統計学的有意差だけではなく、 臨床医が直に効果があると感じられる薬剤が今後期待されます。
レットヴィモカプセル40mg / レットヴィモカプセル80mg
進行RET融合遺伝子陽性NSCLC患者に対するセルペルカチニブの有効性は非無作為化第Ⅰ/Ⅱ相試験で示されている。
病理学的に確認された切除不能なStageⅢB、 ⅢC、 ⅣのRET融合遺伝子陽性NSCLCで、 転移後に薬物治療を受けていない18歳以上の患者
患者を以下の群に無作為に割り付けた。
ITTペムブロリズマブ集団および被験者全体のITT集団の両方において、 盲検下独立中央判定で評価したPFS
事前計画の中間有効性解析時点におけるPFS中央値
増悪または死亡のHR:0.46 (95%CI 0.31-0.70、 p<0.001)
奏効を示した患者の割合
中枢神経系に影響を及ぼした病勢進行までの期間に関する原因特異的HR:0.28 (95%CI 0.12-0.68)
ITT集団の結果の比較
有効性に関する被験者全体のITT集団 (261例) の結果は、 ITTペムブロリズマブ集団の結果と類似していた。
有害事象については、 両群ともに既報と一致していた。
RET融合遺伝子陽性の進行NSCLC患者において、 セルペルカチニブによる1次治療は、 ペムブロリズマブ併用または非併用のプラチナベースの化学療法よりもPFSを有意に延長した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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