海外ジャーナルクラブ
1年前
Pourhadiらは、 更年期のホルモン療法の使用経験と認知症およびアルツハイマー病発症との関連性を全国規模のネステッド症例対照研究で検討。 その結果、 更年期のホルモン療法は、 55歳以下で治療を受けた女性においても、 すべての原因による認知症およびアルツハイマー病の発症と正の相関を示した。 本研究はBMJ誌において発表された。
ホルモン補充療法はstrokeのリスク因子であり、 今回のデータセットでは脳血管性の認知症が他のタイプの認知症と区別できないため、 その関連を見ている可能性があります。
2000年時点で50~60歳のデンマーク人女性で、 認知症の既往歴や更年期ホルモン療法の禁忌のない全住民から、 2000~18年に認知症の発症例5,589例と年齢をマッチさせた対照5万5,890例を同定した。
ホルモン療法を受けたことがない人と比較して、 エストロゲン-プロゲスチン療法を受けたことがある人は、 あらゆる原因による認知症の割合が高かった。
使用期間が長くなるにつれてHRは高くなった。
エストロゲン-プロゲスチン療法は、 連続投与レジメン (HR 1.31、 95%CI 1.18-1.46) および周期的レジメン (HR 1.24、 95%CI 1.13-1.35) のいずれにおいても、 認知症発症と正の相関を示した。 55歳以下で治療を受けた女性でもエストロゲン-プロゲスチン療法と認知症発症には関連が見られた (HR 1.24 (95%CI 1.11-1.40))。
遅発性認知症 (HR 1.21、 95%CI 1.12-1.30) およびアルツハイマー病 (HR 1.22、 95%CI 1.07-1.39) に限定しても、 同様の知見が得られた。
更年期ホルモン療法は、 55歳以下で治療を受けた女性においても認知症の発症と正の相関を示した。 認知症の増加率は継続的治療と周期的治療の間で同様だった。 更年期ホルモン療法による認知症リスクへの実際の影響、 あるいは治療を必要とする女性の根本的な素因を反映しているのかを確認するために、 さらなる研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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