HOKUTO編集部
3日前

薬剤溶出性ステント (DES) 留置後12ヵ月が経過した高虚血リスク患者を対象に、 クロピドグレル単剤療法と抗血小板薬2剤併用療法 (DAPT) の延長 (クロピドグレル+アスピリン) を比較した無作為化比較試験A-CLOSEの結果から、 正味有害臨床イベント (NACE) における単剤療法の非劣性が示された一方、 虚血イベントは単剤療法群で多かった。 韓国・Severance Hospital / Yonsei University College of MedicineのByeong-Keuk Kim氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med.c誌2026年8月29日オンライン版¹⁾に掲載された。
現行ガイドラインでは、 DES留置後6~12ヵ月のDAPT後に単剤療法へ移行することが推奨されている。 HOST-EXAM試験・SMART-CHOICE 3試験では、 クロピドグレル単剤療法がアスピリン単剤療法を上回った。
一方、 DAPT延長は虚血イベントを減らす反面、 出血を増加させる。 高虚血リスク例におけるクロピドグレル単剤療法とDAPT延長の直接比較は行われていなかった。
対象は、 韓国19施設において、 DES留置から12ヵ月が経過し、 急性冠症候群・糖尿病・左主幹部病変などの高虚血リスク所見を1つ以上有する患者3,203例だった。 対象を以下の2群に1 : 1で無作為化に割り付け、 各治療を24ヵ月間継続した。
主要評価項目は24ヵ月時のNACE (全死因死亡・心筋梗塞・ステント血栓症・脳卒中・BARC type 2/3/5出血の複合) であり、 非劣性マージンは2.3ポイントとした。
追跡期間中央値24ヵ月におけるNACEの発生率は、 クロピドグレル単剤群5.0% (80例)、 DAPT延長群5.1% (81例) だった。 リスク差は-0.1ポイント (90%CI -1.3~1.2) で、 クロピドグレル単剤療法の非劣性が示された (片側p=0.001)。
虚血イベント (全死因死亡・心筋梗塞・ステント血栓症・脳卒中) は、 クロピドグレル単剤群では3.7%であり、 DAPT延長群の1.6%に比べ、 有意に多かった (HR 2.33 [95%CI 1.47~3.69]、 p<0.001)。 全死因死亡 (1.3% vs 0.4%)、 心筋梗塞 (1.4% vs 0.4%)、 ステント血栓症 (0.8% vs 0.2%) も単剤群で高率だった。
BARC 2、 3、 5型出血は、 クロピドグレル単剤群1.8%であり、 DAPT延長群の4.1%に比べ、 有意に少なかった (HR 0.43 [95%CI 0.27~0.67]、 p<0.001)。 重篤な有害事象の発現は11.3%、 11.2%と両群で同程度だった。
Kim氏は、 本試験で虚血イベントと出血イベントに対する効果が相反したことから、 DAPT延長と単剤療法には本質的なトレードオフがあると指摘した。 高虚血リスク例では、 一律の単剤療法への切り替えに慎重を要し、 虚血・出血リスクに基づく治療の個別化が重要と結論付けた。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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