海外ジャーナルクラブ
3日前

Wangらは、 中国において、 軽度から中等度のアトピー性皮膚炎患者を対象に、 選択的JAK1阻害薬ivarmacitinib軟膏の有効性および安全性を多施設共同第Ⅱ/Ⅲ相シームレス適応型二重盲検基剤対照無作為化比較試験の第Ⅲ相パートで評価した。 その結果、 ivarmacitinib軟膏は8週時におけるIGA反応率およびEASI 75達成率を有意に改善し、 掻痒を迅速かつ持続的に改善した。 また、 長期使用でも忍容性は良好であった。 本研究はBr J Dermatol誌において発表された。
掻痒改善はJAK1阻害やIL-31シグナルの関与によると考えられていますが、 IL-31やCCL17などのバイオマーカー測定が行われておらず、 この機序は十分に裏付けられていません。
軽度から中等度のアトピー性皮膚炎に対する外用療法には、 迅速な掻痒の軽減と持続的な抗炎症効果に加え、 局所毒性の最小化が求められる。 ステロイドやカルシニューリン阻害薬などの既存治療は長期使用に伴う有害事象が課題としてあり、 より安全でステロイド使用を抑制できる代替療法の必要性が広く認識されている。
そこで本研究では、 軽度から中等度のアトピー性皮膚炎患者を対象に、 選択的JAK1阻害薬ivarmacitinib軟膏の有効性および安全性を第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験の第Ⅲ相パートで評価した。
中国の27施設において、 Hanifin-Rajka基準で定義された軽度から中等度のアトピー性皮膚炎を有する18~75歳の成人患者367例が以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられ、 8週間にわたり塗布された。
基剤群に割り付けられた患者は、 52週間の盲検延長期間において実薬群に再無作為化された。
主要評価項目は、 8週時における担当医師による全般的評価 (IGA) 反応 (IGAスコアが0または1、 かつ2段階以上の改善) およびEASI 75 (湿疹面積・重症度スコアであるEASIがベースラインから75%以上改善) であった。
8週時におけるIGA反応率はivarmacitinib軟膏0.5%群が21.3% 、 ivarmacitinib軟膏1%群が26.2%であり、 基剤群の10.6%と比べていずれも有意に高かった (それぞれp=0.02、 p=0.001)。
同様に、 EASI 75達成率はivarmacitinib軟膏0.5%群が42.6% 、 ivarmacitinib軟膏1%群が45.1%であり、 基剤群の17.9%と比べていずれも有意に高かった (いずれもp<0.001)。
掻痒の軽減は使用開始後48時間以内に認められ、 52週まで持続した。
アトピー性皮膚炎重症度スコア (SCORAD)、 罹患体表面積、 および皮膚科生活品質指数 (DLQI) においても持続的な改善が認められた。
治療中に発現した有害事象 (TEAE) の発現率は、 ivarmacitinib軟膏0.5%群が42.6%、 ivarmacitinib軟膏1%群が56.6%、 基剤群が52.0%であった。 その多くは軽度で、 感染症関連事象は稀であった。 2%以上に発現した治療関連有害事象 (TRAE) として、 ivarmacitinib軟膏0.5%群では毛包炎 (5例、 4.1%)、 血中尿酸値上昇 (4例、 3.3%) が認められた一方で、 ivarmacitinib軟膏1%群、 基剤群では報告がなかった。 皮膚萎縮、 毛細血管拡張、 塗布部位刺激は認められなかった。 52週時までの長期にわたる安全性プロファイルは一貫しており、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。
著者らは 「1日2回塗布のivarmacitinib軟膏 (0.5%または1%) は、 軽度から中等度のアトピー性皮膚炎を有する成人において、 徴候、 症状および掻痒を迅速かつ持続的に改善し、 良好な忍容性を示した。 安全でステロイド使用を抑制し得る新たな外用療法の選択肢となる可能性が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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