寄稿ライター
1年前
こんにちは、 医局ウォッチャーこと、 コアライ ミナトです。 連載6回目のテーマは「大学院と医局」です。 最近、 「大学院を義務付けない」医局が増えていると感じます。 なぜなのでしょう。
医局ウォッチャーを名乗っていることもあり、 医局のホームページを読み漁っているのですが…ここ数年、 入局者募集のページに「当医局では、 大学院進学を義務としません!」と打ち出している医局が急速に増えています。
実は、 僕の出身医局もその1つ。 以前は「入局するにあたって、 まず秋に院試があるから受けてね」と言われたものですが。 時代の流れでしょうか。
そもそも医局員の大学院進学は義務だったのでしょうか。 これは「ある程度Yes」だと思います。 医局によって温度差はありますが、 医師の世界には「医局の意向で大学院に」という文化がありますよね。 大学院に入ることが入局の条件であったり、 医局人事の一環として大学院に入ったり。
強制というつもりもありませんが、 僕自身は70 %が医局の意向、 30 %が「まぁ入れと言われるなら…」という温度感でした。 中堅以上の皆様、 いかがでしょうか。
こういった文化を反映してか、 医学系大学院生(博士課程)の数はかなり多いです。 生徒数でみると、 大学院のなかでダントツのトップであったり、 理工学系とトップ争いをしていたり。 そもそもの医師数を考慮すると、 何らかの外力が加わっていると考えるべきでしょう。
以前は 「大学院にいきなさい」 「 (よくわからないけど) はい」 が当たり前のようでしたが、 最近の若手はそうはいきません。 情報通ですし、 よく考えています。 冷静に考えると、 大学院には敬遠される要素も多いです。
大学からの月給は、 ゼロ~10万円ちょっと。 この収入で研究をしつつ、 診療業務もしなければなりません。 バイトで生計を立てる=非常勤待遇となるため、 保険や年金、 有給休暇、 産休などの面で不利になります。
昨今の若手ならではの事情もあります。
といったことから、 よりシビアな判断が必要となっています。
実際、 若手医師からはため息混じりの「大学院って行かないとだめですかね」といった声が聞かれ、 入局判断の障壁になっているように感じます。
こういった事情を反映し、 「当医局では、 大学院進学を義務としません」 とする医局が増えてきているというわけです。
若手確保に熱心な医局は、 さまざまな工夫をし始めています。 これを読まれている医局スタッフの方、 検討してみてはいかがでしょうか。 また入局先を迷っている若手の方は、 こういった配慮がある医局かどうかチェックしてみるといいかもしれません。
さて、 今回は以上です。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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